インド、自家用車のライドシェアを検討 渋滞解消へ
インドは、自動車保有率の引き下げと交通渋滞の解消に向けて、自家用車を乗合タクシーとして利用する可能性を検討している。複数の関係筋がロイターに明らかにした。
当局者1人によると、政府のシンクタンクは、自家用車をタクシーとして使用した場合の経済・環境への影響を調査するため、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]などの企業と協力しているという。
タクシーとして利用できる車両の増加は、ウーバーや、ソフトバンク<9984.T>が出資するインドのオラにとっては歓迎すべきニュースとなるものの、タクシー業者との緊張が高まる可能性がある。
インドでの交通事情
以前タイに旅行に出かけた際、タクシーに乗ったものの目的地にまで到着できずに途中で降りて歩いて目的地にまで向かったことを思い出しました。
発展途上国と呼ばれる国に行くと、よく見かける交通渋滞。。。
急激に経済発展するインドでは、特に大都市で車が一気に増え、道路の渋滞が深刻な社会問題になっています。
急激な社会成長を遂げていく中で、交通インフラや交通整備、法などが追い付かないために、信じられないほどの交通渋滞が起こってしまうのですね。
車・バイク・三輪タクシーで道路は溢れかえり、クラクションが常に鳴り響き、車線や信号がないも同然の交通状態。家族全員が1台のバイクに乗っていたり、牛や鶏などの動物も自由に歩き回っているそうです。
朝夕の通勤ラッシュの様子は言うまでもなく、大変な光景になっています。
今回のスタートアップはそんなところに目を付けた「WheelStreet」です。この会社はインドにおいてバイクのレンタルを試みようとしています。
バイクレンタルシェアのWheelStreet
以前、中国の「Ofo」というシェアサイクリング事業の会社を紹介しましたが、それのバイク版だと思ってもらえればイメージしやすいと思います。
まず最初に利用方法を簡単に説明したいと思います!
①[wheelstreet]のアプリから利用したい場所と時間帯を入力して、レンタル可能なスクーターを検索します。
②レンタル可能なスクーターが見つかったら、スクーターについているQRコードをアプリで読み取ります。
③QRコードから読み取った暗証番号をアプリ内で入力すると、スクーターのロックが解除され、レンタルスタートとなります。
アプリさえダウンロードしておけば簡単に手続きを済ませてバイクレンタルを利用することができます。
次に、なぜインドにおいて自転車ではなくバイクのシェアリング事業を狙っているのかということを紹介したいと思います。
WheelStreet はインドの交通渋滞が激しい中、ライバルサービスであるUberやOla、その他の交通機関をピックアップするための時間を浪費したくないという人々を顧客にしようと考えています。
確かに、交通渋滞の酷いインドの大都市において、バス・車といったそれに巻き込まれる恐れが高いサービスを避けるの合理的ですね。
また、自転車ではなくバイクをサービスとして選択した理由に次のことを上げています。
インドにおける車のステータスシンボルとしての役割をバイクで果たす。たとえ渋滞が酷くても車というステータスは大勢が欲しがるものです。その車の代わりとして最上位にくるものがバイクだとしています。大学や公園では自転車も素敵な乗り物ですが、そこ以外ではステータスとしての役割は果たせません。
また、右図のように冬場であっても最高気温20度を上回るというのも大きな要因です。
自転車で通勤しようとすると汗だくになってしまう中で、進んで乗りたいという人は少ないですね。
この会社においての勝負所は、人々がZoomcar やタクシーなどのカーレンタルにとって代わる、より早い交通手段として求められる所としてバイクレンタル事業に着手しています。
まとめ
今回はインドにおける、バイクレンタル事業にフォーカスしているスタートアップを紹介しました。世界にはシェアサイクリング事業など似ているスタートアップも存在しています。
しかしまったく同じものを違う国・地域に導入して事業展開するのではなく、その場所に応じた考え方を足して、違う形やより適した形に変えてビジネスを展開するからこそ、新しい価値が創造され顧客を獲得することが可能になるのではないでしょうか。
今まで存在しているモノ・サービスから不足している部分を埋めることができるアイディアを考えつくことが新たなスタートアップへの第1歩ですね。
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