残業が多い仕事TOP3をご存知ですか?テレビマン?それともエンジニア?
タイトルからお察しのことでしょう。1位が「教育・保育職」、2位が「漁業」、3位が「複合サービス事業」だそうです。(マイナビニュースより)
2位が漁業とは、ちょっと意外ですね。そもそも漁業に残業時間という概念があるなんて、目からウロコでした。(うまい!)
……さて、今回の本題である教育業界について、もう少し詳しく見ていきましょう。
最大のブラック企業「学校」
2016年に行われた文部科学省の調査によれば、57.6%の中学校教諭が月80時間以上の残業をしています。月80時間は「過労死ライン」として知られており、1日約4時間以上の残業をしている計算です。(読売オンラインより)
さらに恐ろしいのが、大半がサービス残業だということ。公立学校に関する法律「給特法」によって、月給の4%以上の残業代は支払われません。信じられますか!?
しかし、日本の教員の仕事は多岐に渡るのが現状です。授業準備はもちろん、保護者対応や部活動、進路指導など挙げればキリがありません。
せめてテストの採点時間だけでも減らせないだろうか?そんな悩みを解決するのが、今回紹介するスタートアップです。
オンラインテストの「DigiExam」
テストの作成から、回答・採点までを全てウェブ上でやってしまおう!というのがDigiExam社のサービスです。これによって教師の負担を激減させることができます。
(↓公式サイト)
教員の仕事の中でも特に時間を要するのが、テストの採点です。
例えば1学年200人の生徒を受け持ち、年に5回テストをする場合、年間で417時間を成績評価に使っています。(ホームページで生徒数や年間のテスト回数を入力すると、シュミレーターが計算してくれます。)
一方、このDigiExamが提供するオンラインテストなら、167時間を削減できます!
同社によれば、短縮されたこの時間で あと20日休みが取れる or 33回フルマラソンが走れるらしいです(笑)
また、最大で教員の労働時間を半分にできるとも述べています。
使い方は非常に簡単です。
1.教師がサイト上で問題を作成し、生徒へ出題する
2.生徒はサイトにアクセスし、回答する
3.教師がサイト上で回答を管理、採点
紙の上でしていたことをデジタルにしただけです。それでも同じ問題を一括で採点するなど効率化によって、かなりの時間を節約できるのです。
↓製品の紹介動画です。後半1分でサービスについて簡単に説明しています。
サービスのここがすごい!
実は、オンラインテストというのはアメリカでは既に普及しています。例えば私が現在通っているシアトルの大学では、別のオンラインテストサービスが採用されており、テストの多くがウェブ上で行われています。そして選択式の問題だけなら、回答終了後は自動的に採点され、すぐに点数を見ることができます。
ただし、1点問題が……カンニングし放題なんです!テスト画面とは別にタブを開けば、Google検索も、友達にLINEで助けを求めることも、簡単にできてしまいます。テストの意味ある?って思いますよね(笑)
DigiExamではそういったカンニングができないなど、様々な特色があります!
テスト中は画面がロックされる
先述した通り、従来はテスト中でもインターネット検索で答えを探すことが簡単にできました。しかし、DigiExamではテスト中は回答画面しか開けないようになります。
さらにテスト中にパソコンの電源が落ちても、オフラインになっても大丈夫!全て記録され、途中から再開することができます。
抜群のセキュリティ
生徒の個人情報を狙ったハッカーが攻撃してくるかも……?
いえいえ、もっと怖いのが生徒たちによるハッキングです。(同社ブログより)先生のアカウントに侵入して、答えを手に入れてしまうという……カンニング方法が確実にハイレベルになっていますね!
カンニングが良くないのはもちろんですが、ハッキングによって生徒のパソコンがウィルスに感染する確率も高まります。同社はこうした事態を防ぐため、エンジニアがセキュリティを特に重視しているようです。
先生同士でシェアができる
2人の先生で協力して採点することはもちろん、作成したテストを共有することもできます。
他の先生のテストを閲覧することで、新たな視点を得ることもできるでしょう。また、新たなテストをゼロから作る手間も省けますね!
まとめ
電子黒板やタブレット端末を使った学習など、日本でもICT(Information & Communication Technology)教育が推進されつつあります。生徒の学習効果の向上はもちろん、教員の労働時間削減が見込めます。しかし、依然として普及していないのが事実です。
1つの原因として、ICTを活用できる教員の不足が挙げられます。デジタルネイティブと呼ばれる生徒たちが、物心ついた時からスマホ等の電子機器に慣れ親しむ一方で、ITに強い先生が多くないのです。
「デジタルネイティブ」に明確な年齢の定義はありませんが、おおよそ今の20代からだと言われています。この先、社会に出て働くデジタルネイティブの人口が急速に増えていくということです。
今こそ教育界は変革のチャンスを迎えているのではないでしょうか?
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