米スタートアップで働いて気付いた5つのこと【体験レポート】

こんにちは。そのです!
6月からシアトルのスタートアップTenPoint7にてインターン生として働いています。設立から3年、約20人の従業員がいるコンサルティング/ソフトウェア会社です。

ソフトウェア製品「Addy」では人々のインターネット上の意見を分析することができます。MLaaS(Machine Learning as a Service)に分類され、機械学習と自然言語処理を使ったマーケティング調査に用いられます。

私はインターン生としてAddyの営業・マーケティングを担当しています。日々働いていると、「これぞアメリカのスタートアップ!」と感じる瞬間がよくあるので、今回は5つにまとめてみなさんとシェアしたいと思います!

自由すぎる働き方

場所、時間ともに自由な働けるのがアメリカです。

最高のパフォーマンスが出せる環境で働こう、という実力主義社会らしい考え方ですね。

https://leveloffice.com/locations/washington/seattle/pioneer-building/

私たちのオフィスは、最近日本でも話題になりつつあるコワーキングスペース(Coworking&Office Space)にあります。趣あるビルの中にはなんと約70社のスタートアップが集まっています!

共用の休憩スペースで驚いたのは、コーヒーや紅茶のほかにビールサーバーが設置されていることです。(セルフサービスで好きなだけ飲むことができます。)夕方になると、同僚や他の会社の人とビールを片手に歓談する姿をよく見かけます。

私のインターン先では、必ずしも自分のオフィスで働く必要はありません。こういった共用スペースで働くのもよし、家で働くのもよし……。「今日はここで働きますね!」と宣言さえすれば、どこにいても大丈夫です。

なので始業・終業時間は特にありません。大体の時間で出勤し、キリが良いところで帰ります。16時くらいから退勤する人が出始め、18時には全員帰宅しています。ミーティングがある日だけは、その時間にオフィスにいるよう調整をします。

他にも、犬と一緒に働いたり、スピーカーで好きな音楽を流したり……想像を遥かに超えた自由が広がっていました!

コワーキングスペースに関する記事↓

 BigPic 
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http://seattle-gakusei.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%8A%E9%99%B8%E5%AF%B8%E5%89%8D%EF%BC%81%E8%A9%B1%E9%A1%8C%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%8Cwework/
日本の学生に大局観を届ける

圧倒的スピード感

スタートアップのスピード感が早いのには2つ理由があると思います。

  1. 社長との距離が近い
  2. 軌道修正に慣れている

1.社員数が少ないため(物理的にも心理的にも)CEOとの距離がすごく近いです。冒頭で社員数は約20人と紹介しましたが、私が働くシアトルオフィス(本部)の社員は5人しかいません。

「Hey 社長!」と話しかければ、提案に対してすぐフィードバックをもらうことができます。そのため良い提案だと1分で許可がおり、実行に移すことができます。これぞスタートアップの醍醐味ですね!

2.事業の方向性がすぐに変わります。「これは面白そうだ!」と思えばそちらに方向転換し、「これはダメだった」と気付けばすぐに新しいことを試します。事業のサイズが小さいので、容易に軌道修正することができます。

1人1人がプロであれ

人数の少ないスタートアップは「代わりがいない人材の集まり」だと感じています。「お前の代わりはいくらでもいるんだ!」なんて言葉がありますが、スタートアップには当てはまりません。

というのも、基本的に1人1人が担当職種のトップだからです。例えば4人のスタートアップならば、エンジニア・経理・データアナリスト・マーケター……このように各自がそれぞれの分野をたった一人で担当します。上司も部下もいません。

ですから、メンバーは「この分野のことは○○さんに聞けばわかる。」という状態にできるだけ早く近づかなければなりません。1人1人がその道のプロになるのです。もちろん若手にとってコレは大変なことです。中途採用などで、自分よりもスキルのある人が入社した場合、自分の居場所はなくなる=仕事を失います。特にアメリカの解雇は一瞬です。

アメリカの労働法にはEmployment at willという原則があります。これは自由意志による契約=雇用者と被雇用者はお互いどんな理由であれ、いつであれ、契約を解除できることができるということです。アメリカでは「明日から会社に来なくていいよ。クビです。」ということもザラにあるといいます。

だからこそスタートアップのメンバーは自分の存在価値を示し続けるために、スキルアップし続ける必要があります。日本の就職市場における、ベンチャー企業=急激に成長できるというイメージと通ずるものがあると思います。

誇り高き多様性

お互いの国を応援しながらオフィスでW杯観戦も。

これはアメリカの会社に共通して言えることですが、多様性を本当に重んじています。マイノリティを大切にしよう、といった弱者への配慮だけでなく、ビジネスの観点から人材の多様化が必要だと企業は捉えています。

私のインターン先にも様々なバックグラウンドを持った人が集まっています。インターン生を合わせて7人ほどですが、全員合わせると以下の言語を話すことができます。(移民が多いので○○人、と表現できません。)

英語、中国語、スペイン語、フランス語、ベトナム語、日本語、韓国語

出身国に関するジョークを交えた日常会話には、多様性への誇りがひしひしと伝わってきます。

CEOこそカルチャー

キッチンには常にお菓子が置いてある。

スタートアップで働いて一番感じるのが「会社の雰囲気はCEOで変わる」ということです。

スタートアップは人数的にチームに近いものがあります。チームの士気や親密さは、リーダーによって大きく左右されますよね。だからCEOの一挙一動はどうしても注目されるし、計り知れない影響力があります。

そういった意味で私のインターン先のCEOの尊敬する点がゆるいことです。「お腹がペコペコだから帰りまーす!」と退勤したり、部下をめちゃくちゃに褒めます。叱っているところは見たことがありません。

毎日多岐にわたる仕事を凄まじいスピードで処理する、かなり凄いCEOです。それでも人間味に溢れていて、部下に目を配る姿は、彼のプロフェッショナルとしての行動なのだと思います。

まとめ

スタートアップでの働き方はいかがでしたか?アメリカらしさが一番出ているのがスタートアップかもしれません。

自由や裁量が与えられる一方で、安定性・確実性に欠けるのはスタートアップの悲しい性です。しかし、その企業にもメリット・デメリットはあります。それらを知り、理解した上でキャリアの選択がすることが大切だと感じています。

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【執筆者情報】
山中 苑
大阪大学外国語学部を休学し、Bellevue Collegeにて留学中。和訳記事にて『本日のニッチな英単語』コーナーを細々と担当している。渡米するまでシアトルをシドニーと呼び間違え、アラスカはアフリカにあると信じていた。マイブームは格言集め。

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