また一つ原発に再稼働の許可
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)が4日、再稼働へ原子力規制委員会のお墨付きを得た。当初想定したスケジュールから遅れ、地元同意など先行きに不透明な面を残すものの、経営再建を急ぐ東電はひとつの節目を迎えたことになる。 中でも、とりわけ出力が大きい6、7号機がそろって再稼働すれば、年1000億~2200億円の収益改善につながると東電はみている。原発に比べて燃料コストが高い火力発電所の稼働を減らせるからだ。東電の17年3月期の連結経常利益は2276億円だった。押し上げ効果は大きい。 ただ、実際の再稼働に向けては新潟県など地元の同意を得るというハードルがなお残る。「終わりなき原子力の安全性向上に取り組み、柏崎刈羽原発のさらなる安全性、信頼性の向上に努める」。 —日経朝刊 10/7 2017
原子力発電の大きなメリットとしてコストがあげられ、最も発電コストが低い手法とされています。燃料であるウランの必要な量が他の燃料に比べて圧倒的に少ないほか、生産が政情の安定した国々に分散しているため価格変動も受けにくく安定した供給が可能です。
ちなみにエネルギー供給量の割合は、震災のあった2011年を境に原子力の割合は大きく下がっていますね。
もともと日本は資源に乏しい国なので、エネルギー自給率はたったの6%です(2014年・世界33位)電気料金の上昇は、家計への影響はもちろん、中小・零細企業の経営圧迫、また国際競争力にも影響します。
そんな中、政府のエネルギー政策の基本方針は3E+Sを掲げており、これは安全性を前提に、自給率を上げ、コストを引き下げ、温室効果ガスも削減するというものです。
これを達成するために、経済産業省は2030年までに原子力の割合を20%まであげようとしています。
さて、当然安全性の確保が重要ですが、海外ではこんなスタートアップがあります!
自分の廃棄物を自分で食べる原発?
Transatomic Power
HP: http://www.transatomicpower.com/
なんと自分の放射性廃棄物で動く原子力発電機を開発しています。
つまり廃棄物処分をしなくてすんでしまうわけです。
融解塩タイプの原子炉を開発しました。万一オフラインになったら爆発するのではなく遮断するよう設計されています。
そして創設者のDewanは、最大の障壁である原子力発電に対する世論についてこういっています。
「世代交代が解決すると信じている。冷戦が親たちの心に暗い影を落としている。より良いコミュニケーションが新しい技術を支えると期待している。原子力産業には透明性が必要である。インターネットが透明性の実現を大きく助けるだろう」
核廃棄物の見方を変えたい。それを、処分義務のあるものではなく、可利用な資源と見るようにしたい。
— Dewan, Transatomic
最後に
このように、原発再稼働を政府は進めています。賛否両論あり、確かに震災後の原発の影響は恐ろしいものでした。事故とその不安のみが我々に残っていますが、だからこそ、事故から学び、安全性に最大限に配慮しつつも稼働することもできるのではないでしょうか。
技術の進歩が、近い将来この不安を解決してくれることを祈ります。
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