留学中に起業!?慶應大学4年の大熊啓介さんにインタビュー!①

サンフランシスコで留学中に起業する大学生がいるらしい。

そんな噂をシアトルから聞きつけ、オンラインでインタビューさせていただきました。

サービスは今年9月にローンチ予定で、現在準備中とのこと……

どんなサービスを始めるの!?

どうして留学中に起業することに!?

起業する上で大変だったことは?

大熊さんに全部お答えいただきました!


まず、起業する内容について教えてください

ジュニアアスリートを対象にした食のマネジメントサービスです。アスリートと栄養士をマッチングする、C to Cのプラットフォームを提供します。

会社のロゴ

サービスの特徴は3つあります。
1つ目は個人に合わせたレシピの提供です。メニューはプロの栄養士によって考案されます。

2つ目は栄養素の可視化です。年齢やスポーツの種類によって必要な栄養素を計算することで、それらをデータとして見ることができます。

3つ目は食のコンサルティングです。ウェブ上で栄養士に質問・相談をすることができます。

 

このサービスで起業しようと思ったきっかけはなんですか?

留学前に慶應の授業で、adidasが主催するビジネスコンテストがあったんです。テーマが「日本サッカー界全体を強くするビジネスを考えよ」というもので、その時に栄養士とアスリートを繋ぐこのビジネスを思いつきました。

現状として、栄養士は搾取される立場にあります。栄養に関する資格を持っている人は全国で300万人以上いると言われていますが、それをビジネスとして利用できている人がほとんどいません。もし仕事にできたとしても、年収はサラリーマンの平均より100万円以上低くて、すごく少ないです。この現状を変えたいと思いました。

自分たちのサービスでは、栄養士サイドが値段を設定することができます。また、メニューもこちらから提供する以外にも、栄養士間でシェアできるようにする予定です。こうすることで負担が減り、栄養士がビジネスに参入しやすくなり、搾取される立場を変えられると考えました。

また、アスリートにとって食のマネジメントは非常に重要です。2015年にラグビー日本代表が当時優勝候補であった南アフリカを倒すことができたのは、食のマネジメントがあってのことです。しかし今は、そういったサービスは資金が潤沢な一部のトップのプロしか受けられません。

そこでCtoCにすることで、価格を抑え、が未発達な小・中学生にまでリーチしたいと考えています。

“才能の取りこぼしをなくしたい””日本のアスリートを食から支えたい””食から日本のスポーツを強くしたい”HPにてサービスへの想いが綴られている。

ビジコン後、起業を決意したのはいつですか?

8月中旬にサンフランシスコで留学を始め、授業が暇になってきた10月上旬に起業しようと決意しました。そこで同じ留学プログラムだった熊澤と中村に声をかけました。

熊澤杜夫さん(左)と中村圭池さん(右)

そこから始めたことは3つあります。まずは資金調達の方法について考えました。次に、ビジネスモデルが通用するかをサンフランシスコで知り合った弁護士に相談しました。というのも、その弁護士の方がアメリカのスタートアップに詳しい方で、日本以外でも評価されるアイディアなのか意見を聞きたかったんです。3つ目に、アイディアのイメージを紙に描き、実際のサイトの構成について考えました。

弁護士さんと相談して、事業内容に変化はありましたか?

いえ、ビジネスモデルに関してはほとんどありませんでした。それよりも法律的な話を教わりました。例えば、マーケットを決めるために日米の法律の違いについて学びました。当時、自分がドルで稼ぐことができなかったことや、アメリカが訴訟社会であることからマーケットは日本に定めました。

それからビジネスモデルに関する特許の話も聞きました。特許を上手く申請すれば、タダで1年間自分のアイディアを守ることができます。お金のないスタートアップが費用を抑えながらどう特許を取っていくかを教えてもらいました。

今回のサービスだとどれくらいのお金が必要なんですか?

10月中旬〜下旬になって、具体的に必要な資金の見積もりを始め、エンジニアに話を聞きはじめました。最初にエンジニアリングの委託会社に見積もりを頼んだ時には、3000万かかると言われたんです。でもそんなかかるわけないな、と思って。そこでサンフランシスコで働く日本人上級エンジニアに、エンジニア目線での価格を聞きました。すると、数十万から100万程度で収まることがわかりました。

そこから、いくらあれば2年間サービスを回していけるのかについて考えました。始めの2年は収入が無いものとして考えろ、とよく言われる話なので……そうしたら200万でできることがわかりました。こうして11月に本当に必要なお金がわかりました。

そして資金調達が完了したのは2月のことです。そこからエンジニアの外注を考え、個人と法人を合わせて300社くらいに見積もりをお願いしました。100万円でお願いしたのですが、基本的に断られていましたね。結局決まったのは3月の上旬です。

適正価格でエンジニアを見つけるのに苦労されたんですね……

はい。実はその前にチームにアメリカ人エンジニアを入れようとしたこともあります。5人ほど誘ったところ、3人が集まりました。しかし、働き方への認識にズレがあって、結局辞めてもらうことにしました。できないことをできる、と言ってしまったり、期日を守らなかったりしたんです。それもあってエンジニア探しには時間がかかりましたね。


異国の地で起業するとなると、こういった文化の壁に向き合わねばならないということですね!

もうすぐ始まるアスリートと栄養士のマッチングサービス……アスリートの育成栄養士の地位向上の両方を可能にする素晴らしいサービスだと思いました。

さて、第二弾では今後の展望大熊さん個人のお話について聞きました!

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