海運業界を襲う不況!?
日本勢も世界海運不況にさいなまれている。海運大手3社はコンテナ船事業で17年3月期に合計で1000億円程度の経常赤字に陥る見通しにある。この打開策として3社は17年7月に共同出資会社を設立し、コンテナ船事業を統合することで合意した。
沈没寸前だった3社が生き残りをかけた選択であり、ドイツや台湾の企業と合意していた共同運行から破綻した韓進海運が外れたことも統合への背中を押したともみられる。
しかし、先行きは多難だ。「スケールメリットを追求したい」(川崎汽船の村上英三社長)との目論みも、世界トップの背中は視界にも入らない。
コンテナ船事業はコスト競争力強化に向けて世界規模の再編が加速しており、日本勢の統合は出遅れ感が否めない。
3社は年間1100億円の相乗効果を見込むものの、「18年3月期まで厳しい状況が続く」との判断で3社は共通し、18年4月の新会社の事業開始まで各社がコンテナ事業で体力を保てるかに不透明感は残る。
需要が高まる一方で成長が見込めない物流業界
近日の世界は貿易で成り立っています。私が今いるアメリカだけでも物流において約1.5兆ドル(2015年)といった金額が動いています。またこれは世界の経済規模が拡大するにつれて、増大していくでしょう。
しかし、物流業界はその需要の増加に対して成長することができないといわれています。あまたの仲介業者が存在し、それらによる手数量の徴収によって、料金の底上げに繋がっていきます。
問題は物量業界全体において、複雑で不透明なプロセスが適切なポイントにおけるチェックや調整を難しくしているということです。つまり、様々なところで必要以上のお金がかかっている状態であるということです。
アメリカにおいて、貨物の盗難は平均して約190,000ドル、年間においては約30億ドル分発生しているといわれています。しかしながら、物流における複雑な契約・取引のせいで、積み荷の所有権が明確でなく、どの事業者がこれらの損失に対して責任を負うのかが定かになるケースは少ないです。
そしてその結果、この負担は消費者へと加算されます。この負担額は商品の20%分にも相当します。
そこで、アメリカの大手物流企業の「UPS」がブロックチェーンを使ってこの問題を解決しようと試みていることを紹介しようと思います。
プロセスの不透明さをブロックチェーンで解決に
ブロックチェーンについての詳しい説明や仕組みについてはこちらを参考ください。[最新テクノロジー] インターネット以来の大発明「ブロックチェーン」①・②
「UPS」はアメリカの大手貨物運送会社です。アメリカでは、日本のクロネコヤマトや佐川急便のように茶色がトレードマークの「UPS」のトラックをよく見かけます。
また「UPS」国際貨物航空会社でもあり、世界200か国以上の国と地域で1日、1400万個以上の荷物を扱っています。日本ではヤマト運輸と業務提携を結んでいます。
そんな「UPS」は物流における革命の一員になり、将来のスマートな物流を開発するうえで重要な役割を果たしていきたいと考えています。そのためにブロックチェーンの可能性にかけようとしてます。
彼らはブロックチェーンの最大の強みである「情報の明確さ・透明性」と「データのセキュリティーの高さ」を利用して、今までのデータ管理を革新しようとしています。
物流業界は多数のブローカーと複雑なサプライチェーンが存在することにより、不透明な情報を大量に抱え込んでいます。したがって単一に事業者が全ての情報にアクセスすることは不可能な状況にあります。
そこにブロックチェーンにおけるスマートコントラクトを採用することで、所有権や責任の所在を確かなものへと変えようとしているのです。また、これにより物流にかかわる仲介業者を削減するすることができ、費用の軽減も目指すことができます。
そして一度契約が交わされ、物流の工程が始まれば、その情報が不変のものとしてブロックチェーンに登録され、以後取引に関して異議を唱えることも、データを改ざんすることもできなくなります。
このようにして、今までの不透明・複雑な情報管理から透明・シンプル・強固な情報管理へとシフトしていこうとしているのです。
まとめ
今回はインターネット以来の発明といわれるブロックチェーンを実際のビジネスにおいて、どのような局面で取り入れられていくかの1例を紹介しました。
近年は、どの産業においてもグローバリゼーションの影響を強く受け、より複雑で膨大な量の情報が商品・サービスとともに処理されています。そこの管理を簡潔かつ明快にしていくことで、コストカットが実現され、より信用の高いビジネスが行われます。
これらを支えることができるブロックチェーンはこれからのビジネスにおいてスタンダードとなり、たくさんの分野・部門で利用されいくことになるかもしれませんね。
コメントを残す