Amazonが作りだす宅配新サービス、「Amazon Key」

こんにちは。今回はスタートアップ紹介ではなく、シアトルに本社を構える「Amazon」が作り出す宅配システムについて紹介したいと思います。

宅配システムを変革するシステム・Amazon key

Amazonは昨年の11月に「Amazon key」なるものを発表しました。これが宅配サービスの効率を飛躍的に高めることができるシステムなんです。

Amazonが発表したAmazon Key

このシステムは、宅配を依頼した家主が自宅を留守にしている場合、宅配員が自宅ドアの鍵を開け荷物を置いていってくれるというものです。*現在はアメリカのプライム会員限定で行われています。

そんなことが本当に可能なのか?!防犯的に信用できない…などこのシステムを聞いて思うことはたくさんあると思います。しかし、Amazonの技術がそれを可能にしてしまうんです。

このシステムはAmazonが販売する2つの商品を利用者が購入し、設置することで利用可能になります。それはスマートキーとクラウドカメラです。

スマートキーとは、インターネットにつながっている鍵のことです。宅配員が家主不在の配達先の家の玄関の鍵を開けるために使われます。

クラウドカメラもまた、インタ―ネットに接続されたカメラのことです。これは宅配員が家の中に入った後、その動向を確認するために使われます。

この2つの道具の設置によって、システムの質を保っています。

利用方法

では、実際にどのように利用されるのでしょうか?!

この動画のように、用事で忙しくて家で荷物を受け取る時間がなくてもこの新システムを使えば簡単に荷物を受け取ることが出来るんですね。

その仕組みは、宅配員が配達先に着いたとき、家主が不在だと確認されると、宅配員の身分チェックを行った後、1度だけ使うことのできるパスワードが宅配員に送られます。これは全てオンライン上にて行われます。これを先ほどのクラウドキーに読み込ませることで鍵が開くという仕組みです。

その後はクラウドカメラの録画のもとで、宅配員が家に入り、荷物を置いて宅配完了となります。

この間の配送業者の動向は全て家主のスマートフォンにてライブタイムで確認することが可能です。

これがAmazon keyの一連の流れになります。

価格

実際のAmazon keyに使われる、スマートキーとクラウドカメラ

ここで、このシステム導入に必要な2つの商品の気になる値段を紹介します。

スマートキーとクラウドカメラのセット売りで約$250、日本円でだいたい2万5千円で売っています。一度購入してしまえば、その後の追加購入は一切必要なく、システムを利用できます。

 

 

 メリット

この自宅に居なくても荷物を受け取れるというサービス、受け取る側にも送り届ける側にも優しいシステムなんです。

受け取り手にとって

まず受け取り手としては、宅配時間に縛られ家に居なくてはならない時間を減らせるという利点があります。皆さんも時間指定をしたもののその時間中のいつ来るかわからず、家で無駄に時間を過ごした経験があるのではないでしょうか?ビジネスマンなど特に時間に追われる人にとっては大きなアドバンテージになると思います。

またアメリカでは家主が不在だと、小さい荷物ならば玄関先に荷物を置いていくという文化なので、雨風による商品の劣化・窃盗といったことも起こっていますが、これらを防ぐことが出来るのも大きな利点だと思います。

送り手にとって

次に送り届ける側(宅配業者)にとっては、再送する手間がなくなるという点が最も大きな利点になりうると思います。配送業者にとって、同じ家に何度も向かうのは人件費や運送費などコストがかかることなので、避けたいのは当然のことですよね。

LIFULL HOME’S PRESSより引用 グラフ左:参照:国土交通省『平成26年12月 宅配事業者3社によるサンプル調査』を元に作成 グラフ右:国土交通省『全国貨物純流動調査(物流センサス)』を元に作成

この上図は、日本での配達状況を大手の配達業者に確認して作られたモノです。ここでは再配達率は20%近くになっています。日本でも再配達コストは年々問題になっています。宅配ボックスの設置などで再配達率の緩和を狙ってはいますが、いまだ解消されてはいません。もし、Amazon key が日本に導入されたらこの問題解決に大きく役立つと思います。

問題点

しかし、アメリカのある会社がAmazon keyのシステムにハッキングをしカメラをコントロールすることが出来るということを証明してしまいました。これは、カメラの画像を実際のものとは違うものにすり替えることが出来るということです。これでは安心してこのシステムを利用できませんよね。。。

安心をプラスしたAmazon Key In-car Delivery

そこでAmazonが打ち出した次なるサービスがamazon key in-car deliveryなんです。

Amazon Key In-Car Delivelyのイメージ画像

このサービスは、商品の配達先をAmazon keyの自宅から依頼主の車へと変更したものです。Amazon keyのアプリと連動させることによって、車のロックの開け閉めを可能にしています。

しかし現在はすべての車が可能というわけではなく、車の開発段階から、アプリと連動することを念頭に置いて作られた一部の車に限られています。

課題が発見されてから、解決策・代替案を考えて行動する速さに驚きました。

まとめ

Amazonが中心になって作り出している配達業界を変革するシステム。その今までに無かった配達サービスのアイディアに単純に驚きました。さらにAmazonはこのシステムを配達のためだけでなく、将来はハウスキーパーといったサービスにもこのシステムの運用の幅を広げていくことを考えているそうです。また、カメラの会社を買収したことによって、クラウドカメラのコストを抑えることできるようになるかもしれません。既にオンラインショッピングにおいて確固たる地位を築いているAmazonの止まらない成長と可能性にビジネスの楽しさを感じました。

今回紹介した新たな宅配システムを確立したAmazonに関連する記事はこちら

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http://seattle-gakusei.com/amazon_engineer_geekwire/
日本の学生に大局観を届ける
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http://seattle-gakusei.com/amazon-go%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E4%B8%B8%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%EF%BC%81%E5%85%AC%E9%96%8B%E5%88%9D%E6%97%A5%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%81/
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【執筆者情報】
山田寛太
立命館大学経済学部に所属。海なし県で育った為どうしても海が見たくて渡米を決意。現在は休学しシアトルのBellevue college に留学中。友達作りのために始めたサッカーが気付いたら週4日を超える頻度になり苦しんでいます。

 

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