ハエと聞いたら、大半の人は不快な虫だと言うと思います。実際に、私もハエを観ると正直不快に感じてしまいます。ですが、このハエを今後世界が直面するであろう食糧危機を救う手段として考え出したのがMusca(ムスカ)というスタートアップです!!!
2050年の私たちへの課題
現在、世界では9人に1人が飢餓状態にあると言われています。
毎年のように起きる異常気象の影響によって、農作物の不作や漁獲高の減少は我々の食卓に大きな影響を与えます。今夏、日本でも40℃を超える県もあるほどの猛暑が続いてますが、こういった異常気象が私たちの食生活に与える影響は必須です。
国連によると、2050年までには、世界人口が90億人に達すると言われており、人口増加に伴って食料が減少しているこの状況を考えれば、食糧危機が避けることのできない現実になっています。
究極の循環システム〜ムスカシステムとは〜
従来、家畜糞を飼料そして肥料に変えるためには約1ヶ月程費やしていましたが、ムスカは45年間で1,100世代品種改良を行なったイエバエによって、家畜糞尿を1週間で飼料と肥料に100%リサイクル可能にするシステムを構築しました。
このイエバエによって、作物はより大きくそして、健康に栽培することができるのです!!また、イエバエは畜産・養殖用の魚粉代替物として活用されることが期待されています。
ムスカシステムは、天然資源の枯渇を防ぎつつ、人口増加によって需要も増えるであろう畜産、養殖を支えるための必要不可欠な肥料そして飼料を継続的に確保することができます!!!
では、実際にムスカシステムを取り入れて見た場合
実際に、畜産・養殖産業そして作物栽培にムスカシステムを導入した場合どうなるのか。例を交えて紹介したいと思います。
例1、きゅうりの根
肥料は、生産物糖度の上昇、収穫量の増加、成長促進、抗菌作用という効果があると実証されています。また、土壌も栄養をたくさん吸収することができるので、その土壌で育つ作物はより強く、大きくなります。
また、十分な栄養のある土壌は、病原菌を抑える効果があるので、栄養だけを吸収するので作物は大きく成長するとういうことです。
例2、養殖
飼料はハエの幼虫自体を乾燥させたもので、養殖用の魚粉代替物とし使うことができます。魚の餌となる魚粉に混ぜて使うので、魚粉の使用量を減らすことができます。また、上記のマダイにこの飼料を混ぜた魚粉を与えた結果、体色や体の大きさが変化しました。さらに、免疫の向上、ストレス低下も実験から判明しました。(愛媛大学との共同研究より)
ムスカ有機肥料の効果
- 土壌改良効果
- 成長促進効果
- 病気、害虫発生の低減
- 根の発達促進効果
- 日持ちの向上
- 糖度、ビタミン量の増加
- 抗菌作用
ムスカ飼料の効果
- 免疫力の向上
- 増体効果
- 価格が高騰化する魚粉代替
- 食料自給率の向上
ムスカの今後の課題
ムスカは今後大規模プラントの建設そして、さらなる技術革新によって、肥料と飼料のコストを一般市販品以下に引き下げ、世界の食糧危機に立ち向かうとしています。
まとめ
2050年に世界人口が90億人になるのと同様に、飢餓状態にある人が約8億人いると推定されています。ですが、今日まで続いている異常気象によって、これまでと同じように食料を生産することが難しくなっています。
今後、人類はこれまで経験したことない人口増加そして異常気象によって引き起こされる食糧危機に対抗しなければなりません。
実際、農業改革は様々な国々で進められており、ICTやIoTといった次世代技術を応用した農業改革が注目をあびていますが、ムスカが行ってきたように長年の研究の成果を成果を生かした方法も重要な要素であると思います。
今後のムスカの成長がとても気になります!!!
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【執筆者情報】
藤田壮平
京都の大学に通っている4回生です。今はSeattle Central Collegeに留学中です。とにかく、ドラマと映画を見るのが大好きで、日本では HuluそしてNetfliex、Amazon prime の三刀流してたぐらい好きです!!
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