BY ALAN BOYLE on
月か火星か、それとも小惑星か:宇宙に魅せられた者たちが語る 人類が行くべき星とは
SpaceXの設立者、イーロン・マスク氏が「火星で人生を終えたい。衝突事故で死にたくはないけどね。」と言ったことは有名です。しかし宇宙のどこに人間の住む場所があるのでしょうか?これが「宇宙の新時代」という名で穏やかな雰囲気の中、今週開催されたシアトル航空博物館での会議での論点です。
ワシントン州レドモンドにあるPlanetary ResourcesのCEO兼社長であるクリス・レヴィキ氏は小惑星と火星に行く事例を取り上げました。また、フロリダ州にあるMoon Expressの共同設立者兼会長のシアトル地区の起業家ナヴィーン・ジェイン氏は月について話しました。
ジョージワシントン大学の宇宙政策研究所の元理事のジョン・ログスドン氏は帰無仮説を主張しました。これは全体的に人類が、遠くない将来のために地球に固執していることを指しています。
ジェイン氏は激しい手振りを交えて見解を説明しました。
「月は私たちが必要なものを全て備えている。」と彼は言います。「月には水があります。水は何においても必要ですよね。そして水素や酸素さえ手に入れられるのです。」
彼は日本の研究者たちが最近月面の巨大な溶岩洞を確認したことに言及しました。そこに地下基地を収納して、宇宙線や隕石の衝突から身を守ることができるかもしれません。「酸素や水を送り込めば、ニューヨークを丸ごと収めることも可能かもしれませんね。」と彼は話します。
研究者たちは宇宙線を有用なエネルギーに変えるため、ヒトゲノムを編集することさえできるかもしれないと述べています。
ジェイン氏が言うには「宇宙線への耐性ができるだけではありません。夕方になれば愛する人の手を握り、話しかけるのです。ねえ君、ちょっと歩いて宇宙線を浴びに行こうか。夕食になるからね。」
しかし、レヴィキ氏は月が人類の定住に必要なものを全て備えているという意見に異を唱えました。彼は月の土壌にどれくらいの水が含まれているか、 それらの取り出し方が簡単かどうかは定かではないと主張します。
地球周辺の小惑星から資源を取り出すことは幾分か簡単でしょう、と彼は言います。彼の会社では10年以内に小惑星から採掘し始めることを目指しています。
「小惑星というのは資源の観点から言うと、太陽系の中で最も手が届きやすい星と言えます。」と彼は述べています。これらの資源が月移住計画を容易にする可能性もあるでしょう。
しかし、なぜ月へ旅行に行くのでしょう?ログスドン氏は何百万もの人が宇宙で暮らし、働くことに反対しています。これらはマスク氏やアマゾンの億万長者であるジェフ・ベゾス氏によって進められている計画です。
「火星の経済世界でどんなビジネスができると言うのでしょう?……100万人の都市でしょう?なぜ?誰がそんなことを?」ログスドン氏は言います。
「火星よりも月の方が経済的には妥当でしょう。しかしそれでも望みは薄いですよ。」と彼は続けました。
議論の中でEarth2Orbitの設立者であるサスティマ・モハンティ氏は経済を超えてこう発言しました。
「私が思うにもっと多様なパネラーが必要だったのです。」彼女は言います。「私が聞いたのは『地球以外で儲けましょう。月以外で儲けましょう。火星以外で儲けましょう。』なんていう主張です。私はビジネスの目的を超えて他の星で住みたいと思いますね。」
会議の最後に聴衆が得たのは、レヴィスキ氏による魅力的な小惑星の一覧と火星の情報です。
しかしそんな彼が認めたのは、地球周回軌道を超えた現実世界は「月か火星か」論争よりも相当複雑だと言うことです。「私たちが楽しく議論してきた状況は間違った選択です。」と彼は言います。「まるで論争のようでした。「ニューヨークとパリ、どちらが良い街だろうか?一つ選びなさい。他の選択肢はありません。」みたいな。私たちは歴史の中でそんな選択をする必要性は全くありませんでした。正解は「上記のもの全て」なのです。」
(2017年11月10日 Geekwire 『Moon vs. Mars and asteroids: Watch space advocates debate where we should go』より全訳)
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