外国人起業家11人に聞く「移民としてアメリカで起業する」ということ②【GeekWire】

第一弾(11人の起業家の経歴)はこちらから↓

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Xiao氏:Fortune誌の上位500社のうち、移民によって起業または率いられた会社の割合が発表されています。私はこれが偶然の数字だとは思いません……。古い言葉ですが、岸に着いたら船を燃やしなさいーこれと似ているんです。多くの人々が、祖国に戻らぬことを選び、帰ることはできません。そうして彼らはここにいます。これが全てです。

移民によって起業または率いられた会社の割合
第一弾より「米テック企業の半数以上は、移民もしくは移民の子どもによって設立された。」

中島氏:失うものなど何もない、より熱のある人々が集まっています。新しいことにチャレンジするために、自分の全キャリアをリスクにさらしているんです。

Lai氏:あなたが荷物をカバンに詰めて、故郷へ帰ることはないでしょう。こういった気力が非常に重要だと思います。

Gulati氏:1人の移民として、人生の異なる側面に出会い、あなたをもっと打たれ強くする様々な障壁を経験することでしょう。できると思っていなかったこと、もしかしたら存在すら知らなかった壁を越えるのです。

Yoo氏:アメリカへやってくる人たちは一種の自薦集団だ、という他の考え方もあります。奨学金を得て、アメリカへきたような非常に才能ある人たちなんですよね。彼らは非常によく働きます。また、進んでリスクを取ろうとするんです。

Tarassova氏:ここアメリカへ来たときはもちろん、最初にカナダへ移住したときでさえ、想定できるリスクはありました……これは起業家精神と同じです。前が見えないのに崖を飛び降りることはしませんよね。まずは市場を査定します。大きな利益となるものを、新しいこと、未挑戦のことから見極める。これこそ私が自社で実践したことです。

Lai氏:もちろん言語は一番の問題です。だから、あなたは完全なる部外者で、周りの人とコミュニケーションを取ることはできません。今まではできていたことに、より多くのエネルギーを使うんです。私たちは皆、自分に自信を持ちたいと考えます。そこでシンボル要素が非常に強い数学を用いることで、文法やそういった事柄を気にすることなく、自分を表現できるようになります。ですから私たちの多くがSTEM教育を受けていることは、それらから少し影響を受けているのだと思います。

STEM

STEM教育とはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を重視した教育方針(引用元)

中島氏:6-7人のグループで話すときに、自分の意見を通すことはかなり難しかったです。マイクロソフトはよく遊び、よく働く、競争的でエネルギッシュな人ばかりです。ですから意見を聞いてもらうことは、最初は本当に大変でした。しかし、私は素晴らしいコードを書くことで、彼らに勝てることを学びました。ーそこで面白いことが起こったんです。私が全然グループ討論に貢献できないので、1人でできるプロトタイピングの仕事を上司がくれました。そのプロトタイプが最終的に、Windows95の原型になったんです。これには大変驚きましたよ。なんせ当時、英語をうまく話すことはできませんでしたから。しかし、マイクロソフトは私のデモを実際に大きなディベロッパーカンファレンスで使ったんです。これは私が入社して1年以内のことでした。そして私は、次世代のオペレーティングシステムとして自分のプロトタイプのプレゼンを行いました。私にとって、これが初めての真の成功でした。

Duong氏:移民であることは、様々な場面で私を助けてくれました。FlexeのCTOとして、弊社が多様性・包括性を持つための新たな道作りに貢献してくれました……。なぜなら、私たちはそれらがより優れた会社を作るための要素だと信じていたからです。異なる視点を用いることは、1兆4千万ドル規模の市場にてより包括的な会社に成長する手助けとなりました。私たちは、バラエティに富んだ社員が必要だと知っていたのです。

Gupta氏:私たちは性別や人種に関する多様性についてはよく論じます。一方で、国際経験の多様性についてはあまり語られません。

Hong氏:私たちはグローバル経済に直面しています。中国の市場は相当なものです。ですから、仮に設立者のチームに中国人メンバーがいたならば、中国市場を獲得するのに際し、間違いなく私たちの力となったことでしょう。

Medina氏:異なった視点はより良い決断を生む、と私は深く信じています。ですから、あなたがどこか違う所で育ったという事実ー異なる食事や異なる行動、異なる決断の仕方や異なる根本の価値設定に触れてきたーそれだけで、あなたはチームの中で既にかなり優位なポジションに立っているのです。

Mugazambi氏:もし世界中からきた人々を一つの部屋に集めたならば、解決策がそれぞれの国でどのように解釈されるのかを知ることができるでしょう。それらは、全てを包括し、違ったスキルによって問題を解決することができ、他の市場へ拡大できるようなアイディアの構築を支えます。

Gupta氏:あなたは顧客が誰なのかを知らなければなりません。顧客のことはどのように知れば良いのでしょうか?CEOが全ての国へ行くことは不可能です。ですから会社を成功させるためには、机上にこれらの見方を持ち寄ることができる人が必要なのです。国際的な市場の情報や世界の顧客からのフィードバックを集められる人々に感謝しなければなりません。オフィス内の会議室で座っていればいいのと、中国やオーストラリア、インドやウクライナまで行かなければならない状況を比べてみてください。

(2018年6月29日『Resilience and risk-taking: How the immigration experience shapes the path of foreign-born entrepreneurs』より後半和訳)

原文:STARLA SAMPACO

本日のニッチな英単語

Type A
よく遊び、よく働き、競争的でエネルギッシュなタイプの人間。(引用元

原文では、「 Microsoft was full of Type A people.」(マイクロソフトは競争的でエネルギッシュな人で溢れています。)と使われていました。

ちなみにType Bもあり、「いつも気楽でリラックスしているタイプの人間」を指します。

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【執筆者情報】
山中 苑
大阪大学外国語学部を休学し、Bellevue Collegeにて留学中。和訳記事にて『本日のニッチな英単語』コーナーを細々と担当している。渡米するまでシアトルをシドニーと呼び間違え、アラスカはアフリカにあると信じていた。マイブームは格言集め。

 

 

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