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【米IT企業社員】Takaさんに聞く!アメリカの衝撃エンジニア事情【後編】
現在シリコンバレーでエンジニアとして活躍されているTakaさんにアメリカのエンジニア事情について貴重なお話をして頂きました!Twitterを通してコンタクトを取ったところ約1時間のSkypeでのインタビューに快く応じて頂きました。
世界のトップ企業でエンジニアとして働いているTakaさんですが、なんと大学学部でコンピューターサイエンス(CS)を専攻していたわけではないそうです。後編の記事では、そんなTakaさんの経歴や海外でのエンジニアのなり方、エンジニアの立ち位置について紹介していきます!
前半の記事はこちら!
TakaさんのTwitterアカウントはこちらのリンクからどうぞ!
【海外でエンジニアになるには】
日米の両方で就業経験のあるTakaさんに、海外でエンジニアとして働くための方法やいくつかの疑問に対する答えを教えていただきました。今回はTakaさん自身がCS専攻ではなかったということもあり、特別にCS専攻以外の人のケースについても語ってもらっているので必見です!
A. アメリカで就職するにはいろいろな方法があります。例えば留学をしてから就活をする方法や、社内異動からのL1ビザの取得、J1ビザを取得し企業研修、自ら起業して投資ビザを取る方法などです。個人的には留学から就労という道に一番なじみがあるのでそれを選ぶかもしれません。(以下にまとめてみました)
【CS専攻の場合】
A. CSを専攻している場合は、まず社内異動からL1ビザの取得を狙いに行きます。
【補足】L1ビザとは日本の会社がアメリカの関連会社に社員を派遣する場合に使われるビザで「駐在員」ビザとも呼ばれています。このビザを取得すると最大で5-7年アメリカに滞在することができます。Takaさんによれば、外資系企業の日本支社(AmazonやGoogleなど)に入社することができれば異動で海外に行ける枠は一定数存在しており。実際にシリコンバレーで働くTakaさんはそういう人に会うことも少なくないそうです。
A. もしそのポジションが手見入らなければ、留学からの就職を視野に入れます。
【補足】しかし海外へ渡ることのできる人の数はそれほど多くないというのも事実。そうなった場合には大学院に進学してMaster’s Degreeを取得したうえで就職活動をするという方法があります。実際にTakaさんも、社内異動が難しいと判断しIT企業での勤務後にアメリカの大学院に進学を決められています。
【その他の理工系学科の場合】
A. まずは日本でエンジニアとしての経験を積みます。なぜならアメリカや他国では経験やスキルがないと全く受け入れてもらえないからです。これらの国ではCS専攻であるかどうか、CS専攻でない場合は企業にわかるような職務経験を持っているかどうかで判断されます。つまり専攻していない人にとって職務経験は必須と言えます。
【文系の場合】
A. 文系の場合もその他の理工系学科と同様に、まずはエンジニアとしての経験を積みます。また、成長が著しく、海外進出を視野に入れているようなベンチャー企業に就職してL1ビザの取得を目指すのも一つの選択肢です。CS専攻でない人に共通して言えるのは、留学から就職することも一つの手段であるということです。
A. 自分はCSではない理系の学科に所属していましたが、確かに理系の授業やプログラミングの授業を受けられたので若干文系よりもアドバンテージはあったものの、スタート地点はそこまで変わらないと思います。
【CS専攻でない人の戦い方】
A. プログラミング以外に行ったことと言えば、基本情報処理試験を受けました。就活で競うことになるのは基本的にCS専攻の人たちなので、こちらは彼らが4年間で学んだことを理解しなければいけない。そうなった時に実務に役に立つ知識がまとまっている基本情報処理試験はとても役に立ちます。それと日系でも外資系でも資格保持者は拒まれないので、とても良い差別化にもなります。他にも応用情報試験、データベーススペシャリスト、ネットワークスペシャリストの資格を取りました。
A. ウェブの受託開発を行っていました。クライアントから仕事を受けて自分に仕事が割り振られる形でした。小さい会社だったのでサーバーやデータベースなどすべてのツールに触れることができたのでとても良い経験になりました。
【流行りのデータサイエンスについて聞いてみました】
A. 具体的に言うと、線形台数、行列などについての基礎知識を持っていてさらにそれらを奥深くまで理解していることが重要ということです。勉強するには本を読むのがおすすめです。
日本でマシーンランニングやAIを目指すにはこれを読むべき!という教科書があります、『パターン認識と機械学習–上–』(https://www.amazon.co.jp/パターン認識と機械学習–上-C-M-ビショップ/dp/4621061224)/ (https://ocw.mit.edu/courses/electrical-engineering-and-computer-science/6-867-machine-learning-fall-2006/lecture-notes/)
ただし、この本は現役のデータサイエンティストでも読むことが難しいというレベルです。(笑)
【日本とアメリカの違いについて】
A. シニアレベル(熟練のエンジニアの事)を比べるとそれほどの差はありません。しかしジュニアレベルで比べるとスキルや知識に違いがあります。なぜならアメリカではジュニアとして仕事を得るためにはインターン経験済みのCS専攻がほとんどで入社時点で結構なスキルを持っているのが当たり前だからです。それと違って日本ではCS専攻以外の人への門もある程度開いています。就職してから実力を伸ばしていくスタイルなんです。
A. アメリカではエンジニアはたくさんの人がなりたいと思っているステータスのある職業です。必然的に頭のいい人たちが集まってレベルが上がっています。なおかつエンジニアは常に需要があるので給料水準も日本よりずっと高いです。このことがIT業界に違いを生んでいるのでしょう。
【補足】アメリカのエンジニアの給与水準はとても高く、相対的に見ると日本でいう医師や弁護士並みの水準となっています。実際にGlassdoor, Indeedなどのサイトでエンジニアの募集要項を検索してみると、給料1000万円越えのポストがたくさんあります。また、インターンの給料も日本からしてみるととんでもない額で、MicrosoftやGoogleなどの大企業では月収100万円というケースもあります。
【まとめ】
Computer Scienceを学んでいなくてもTakaさんのように世界的な大企業でエンジニアができるなんてすごすぎると思いましたが、実際にお話を伺ってみると目標を実現するために可能な手段を分析して実行されていることが分かりました。また、まだまだ日本とアメリカではエンジニアの待遇には差があるということでしたが、それは今後変わっていくんでしょうか。それによって僕たちの将来の行動が変わっていくかもしれません。
エンジニアとしての生き方についてはもちろん、プロフェッショナルとしての生き方についても考えさせられる、大変ためになるインタビューでした。是非皆さんもこの記事を参考に、ご自身のキャリアについて考えてみて下さい!ご一読ありがとうございました。
【執筆者情報】増谷凌
東京生まれ東京育ちの20歳。中学から始めたラグビーはシアトルでも継続中。