【米IT企業社員】Takaさんに聞く!アメリカの衝撃エンジニア事情【前編】

現在シリコンバレーでエンジニアとして活躍されているTakaさんにアメリカのエンジニア事情について貴重なお話をして頂きました!Twitterを通してコンタクトを取ったところ約1時間のSkypeでのインタビューに快く応じて頂きました。

TakaさんのTwitterはこちら!

海外エンジニアと聞いて、なんとなくかっこいいという印象を受ける人は多いと思いますが、具体的にどういった働き方をされているのか知っている人は少ないのではないでしょうか。

前編では、アメリカでのエンジニアとしての働き方について、日本とアメリカの違いや今後の展望について、Takaさんのリアルな声を紹介します!

理系学生や技術開発事業に一躍投じたい方、特にITに興味のある方必見です!!

プロフィール

・日本の大学では電気系の学科に所属。大学4年次に本格的にプログラミングを始め、卒業後は日本の大学院に進学し応用物理を学ぶ

・大学院を卒業後はベンチャー企業での長期インターンに加え、大手や外資系企業で短期のエンジニアのインターンを経験

・新卒で外資系IT企業にエンジニアとして入社し、3年間勤務

・その後、米トップスクールの大学院へ進学。CS学科を卒業

・Google、Appleといった世界のトップの企業でのインターンをへてシリコンバレーで就職。現在はフルタイムのエンジニアとしてフロントエンド開発を行う

 

働き方について

アメリカで働くエンジニアの現状

アメリカでエンジニアとして働いていて、楽しいことを教えてください。

常に刺激を受ける環境に身を置けることに楽しさを感じます。

GAFAには世界中のエンジニアが知っているような優秀なエンジニアが多くいますし、技術開発という面でもソフトウェアの開発の動きは速いです。

また、待遇や条件が良く医者や弁護士と同じような待遇)、日本で働いていた時よりも格段に良い条件下で働けるので、色々と楽になった部分が多く、楽しさを感じます。

逆に辛いことはどんなことですか?

まだ現在の会社に入社して3年くらいなので環境に慣れていないというのもあるのですが、パフォーマンスを常に意識しないとクビになるということです。

五年や十年経ったらこの緊張感が楽しくなるのかもしれないけど、そこまではまだ至っていないので、未だにパフォーマンスレビューの時期にどんなフィードバックが来るかドキドキしますし一喜一憂もします。

「何パーセント以下でクビになる」などの基準はありますか?

現在所属している企業では私の把握してる限り、何パーセント以下は切られるなどの酷なものはないですが、絶対評価に近いものがあります。常に市場価値を意識して仕事をしないと、LAYOFFのクビになった場合、次の仕事が見つからない可能性があります。

LAYOFFとは:所属している部門全体のパフォーマンスが悪い場合に部門ごとクビになることです。この場合会社の都合によるクビなので、社員もクビ宣告後、3〜4ヶ月の間給料がもらえたり、転職サポートしてもらえたりします。

一方で・・・

FIREDとは:個人のパフォーマンスが低すぎてクビになることです。従業員側の都合なのでLAYOFFのように会社側からのサポートは一切見込めません。

実際にクビになった社員は周りにいるのですか。

FIREDは一定数います。テクノロジー企業全体の景気が良いのでLAYOFFはまだ周りにはいません。やはり市場価値を意識していないと、LAYOFFなどこちらが逆らえない状況になった時に仕事がなくなるというリスクがあります。

日本とアメリカの違い

日本とアメリカの働き方の違いでどういった部分を一番魅力的に感じますか?

休みが取れやすいこと、給与が日本に比べて3〜4倍もらえることです。残業時間に関しては完全に人によります。残業を美徳としている日本とは違って、アメリカでは昇給や昇格をしたい人は自ら進んで残業するので、一定数の人はかなり残業していますが完全に個人の自由です。しかし総合的に見ると、アメリカの方が満足度が高いと感じます。

日本で働かれていて、具体的にどのような点が大変でしたか?

残業時間です。

13〜15時間が1日の平均勤務時間でした。朝10から夜中2時まで出勤なんていうこともありました。命を削ってやっていたので素晴らしいことでもなんでもないんですけどね(笑)

また、日本のIT業界のピラミッド構造を感じました。

下請けの企業と仕事を発注する側(大手企業がメイン)というピラミッド構造が完全に構築されています。私自身、外資系ITエンジニアとして働いていましたが、実際に一緒に仕事をするのは下請けの人たちでしたので、下請けに無理難題を命令する企業と、仕事を遂行せざるを得ない下請けの人たちの現場を生で体感して、いろんな社会の理不尽を強く感じました。

夜9時に上から怒りの連絡が入って「2〜3時間で直せ」なんてこともありましたね(笑)ワークライフバランスもクソもないです(笑)

もし今学生に戻れるなら・・・

今学生に戻りソフトウェアエンジニアとして働きたい思ったとして、どこの国で働くことを選びますか?

アメリカであればベストですが、国自体が外国人に対して閉鎖的になっているので、今2019年で学生に戻るとしたら極限可能性を考えてカナダやオーストラリア、ニュージーランドなど先進国の英語圏を狙いますね。

やはり欧米の先進国を比較すると、IT業界ではアメリカが先を行っていると感じます。定量的なデータやポジションの数でどれだけ需要があるか見た時に、アメリカがダントツでその次にイギリス、カナダ、オーストラリア、シンガポールなど挙げることができますね。

英語圏であることを重視されますか?

 英語を使うという観点だけならシンガポールや香港でも良いと思いますが、僕個人が英語圏の先進国で経験を積みたいという思いを持っています。

今後について

アメリカのエンジニア業界の今後

これからもアメリカでエンジニアの需要はあると思いますか?

ドットコムバブル崩壊やリーマンショックなど過去のようなことが起きるかもしれませんし、アメリカのエンジニア業界がどうなるかわからないので明確なことは言えないですが、エンジニアの需要という点に関しては、今後もテクノロジーは伸びますし、AIや新しい技術の裏側では常にエンジニアが動いているので、ここ5年10年の間は変わらず需要はあると思います。ただ、AI化がさらに進むとエンジニアの仕事がなくなってしまうこともあるかもしれませんね。

アメリカのエンジニア業界の今後の展望についてどう思われますか?

まず、アメリカのエンジニア会社の現在の競合はインドや中国、東南アジアなどのアウトソーシング会社のエンジニアです。

アウトソースはコミュニケーションのコストが大きく、遠方にいて時差もあるとさらにアウトソースでの開発を進めるのが難しくなります。そのため、アメリカのアウトソースは縮小傾向にあります。

アメリカはインターネットサービスはユーザーの要件が定まっていないケースが大半です。非定形のサービスが多い状況下の場合ソフトウェアの要件もコロコロ変わります。

インドや中国のアウトソーシング会社よりも非定形の方がアメリカにとっては融通が効くため、現地でエンジニアを置いた方がいいよねという風になります。直接のアウトソーシング会社は今後そこまで競合ではなくなるかもしれないですね。

Takaさんの今後

これから先、日系企業でソフトウェアエンジニアとして働きたいと思いますか?

 自分にとって待遇や条件、カルチャーが良ければ良いと思います。日系企業だからNGということはありません。

これからはどのようなキャリアを歩む予定ですか?

現在グリーンカード申請中なので、今は雇われ人としてそこまでチャレンジはせずに、自分自身市場価値をつけていきたいと思っています。

長期的なものとして考えると、一雇われ人として働くか、ビジネスを創造する側に回るかまだ判断し切れていません。ちょっとしたビジネスを始めるかもしれないし、ダメだったらまた現在の職に戻るかもしれません。

ただ、優秀なエンジニアが周りにたくさんいて自己成長という観点で今とても良い状況にいますし、さらに学歴社会、ステータス社会における「GAFAエンジニア」というステータスは大きく、今までとエンジニアとしての見られ方や扱われ方が大きく変わったので、今の所しばらくは雇われ人としてキャリアを歩む方針です。

グリーンカードをとって起業される方はいますか?

引用(http://www.green-card.jp/what/index.html)

出典:「グリーンカードジェーピー」

人によります。家庭がある人は目指さない人が多いです。

でも、過去に自身で起業してガンガン働いた後、落ち着きたいからGAFAに入るという人も一定数います。私の知人のカナダ人は、Facebookに1年勤務した後、スタートアップで3〜4年働いてGAFAに入りました。

グリーンカードの申請が通ってリスクがなくなった場合、もっと待遇のいい会社に移動しますか。

現在の勤め先は、大変なこともありますが、やりがいも多くあり、かつ市場価値もあげられるため、しばらくは居座る予定です。

まとめ

現在シリコンバレーでエンジニアとして働かれながら、ご自身のツイッターで現状を随時発信されているTakaさんにこんな質問をしてみました。

日本で高いレベルのエンジニアとして働いている人に対してアメリカの方が良いよ、と言いますか?

完全にその人の意向なのであまり言わないですね。家族がいる人もいるので。

アメリカや海外が目指す人を増やしたいという思いでツイッターで自分の状況を更新していますが、個人的には特に勧めないです。

ツイッターで情報を発信している目的は何ですか?

アメリカにこだわらず、海外に目を向けるのもいいよということを伝えたい趣旨でやっています。ターゲット層は過去の自分、特に学生や若手の人たちです。過去の自分と同じように、日本で大変な経験をしている人、苦しんでいる人に道を示してあげたいです。

インタビューを終えて

アメリカに来てからもうすぐ半年になろうとしていますが、こちらの大学では日本よりもコンピューターサイエンス(CS)が一つのメジャーとして受け入れられているため馴染みがあり、CSを専攻する人が多いという印象を受けました。その背景には、エンジニアの社会的地位の高さ労働条件の良さがあったんですね。

良い労働環境と社会的地位は保障されますが、パフォーマンスが物を言う世界で1エンジニアとして生き残るのは至難の技です。常に個々が向上心を持って自身のスキルを研磨し、絶え間ない努力があるからこそ世界を舞台に活躍されているのですね。

エンジニアに限らず、ある道のプロとして世界の最前線で活躍するには確かな技量と継続的な努力が必要不可欠ですが、Takaさんのようにエンジニアを目指して海外に転身できる思い切りの良さ自分の人生を自分の手で切り開いていく覚悟自分の置かれた環境でひたむきに頑張る真っ直ぐな姿勢というものも同時に重要なんだと感じました。

エンジニアとしての生き方についてはもちろん、プロフェッショナルとしての生き方についても考えさせられる、大変ためになるインタビューでした。是非皆さんもこの記事を参考に、ご自身のキャリアについて考えてみて下さい!

後半の記事はこちらです!

【執筆者情報】北村真美

滋賀のど田舎で生まれ育ち、京都の私立大学に入学。大学3年の秋から1年間休学し、現在シアトルのベルビュー大学でビジネスを勉強中。カフェ巡りとインスタが好きなミーハー女子。

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

滋賀のど田舎で生まれ育ち、京都の私立大学に入学。大学3年の秋から1年間休学し、現在シアトルのベルビュー大学でビジネスと英語を勉強中。カフェ巡りとインスタ好きなミーハー女子。