サンフランシスコ発・人気オンライン英会話サービスCamblyのカントリーマネージャーとして国内外問わず活躍されている佐藤亜希子さんに、Skypeでの約1時間に及ぶインタビューに応じて頂きました!
上智大学とアメリカのジョージタウン大学大学院卒業後、大手外資系証券会社ゴールドマンサックスで東京とアメリカを拠点に就業経験を積まれた後、英語教育ビジネスに携わるべく、ベンチャー企業のInstitution for a Global Societyにて東京でディレクターとして勤務されました。その後、現在のお仕事で日本の代表マネージャーとして英語教育に携わっておられます。
インタビューの中で、佐藤さんの「英語が好き」という強いお気持ちと芯の強さがご自身のキャリアアップに直結した経緯をお伺いすることができ、大変感銘を受けました。英語を使って働くことに興味を持たれている方に是非読んで頂きたいです!
そして今回、後半最後まで読んでくれた読者の皆さんだけに、佐藤さんからのプレゼントを用意しています!!是非お見逃しなく!!
記事の第1弾は「グローバル環境で働くこと」について、第2弾は「英語を運用すること」について、それぞれ佐藤さんとのインタビューに基づいてまとめました。それでは、第1弾のスタートです!
現在のお仕事に至るまでの経緯
高校の時にアメリカのカリフォルニアで1ヶ月の短期留学を経験しました。そこで初めてアメリカを体感し、感動したのを覚えています。また留学したいという気持ちで、上智大学の外国語学部英語学科に入学後サンディエゴで1年間の交換留学に参加しました。そこで英語を一生懸命勉強しました。私は英語学科に入学したので、英語をツールとして身につけることはできたものの、実際に英語を使って何か知識を得るという経験があまり無かったので、1年間の留学中にそういった経験を積みたいという強い思いがありました。
常に英語を仕事に繋げたいという思いはあったのですが、アメリカのジョージタウン大学大学院で政治経済、主に外交政策について勉強する中で、漠然と国連などで働きたいなと考えていました。アメリカで就職することも考えたのですが、当時の不景気の影響でアメリカで就職することはできず、大学院卒業後、東京でゴールドマンサックスに就職しました。
金融自体に興味があったわけではなかったのですが、「英語を使いたい」「グローバル環境で働きたい」という真っ直ぐな気持ちがグローバル企業を選択するのに繋がりました。また、世界中から集まった優秀な人たちと一緒に働けることにも魅力を感じ、ゴールドマンサックスに入社しました。東京で入社後、約1年半年ほど東京に勤務した後、約4年半ニューヨークに勤務しました。その後東京に戻り、2013年に退社しました。
英語を使って今度は誰かのために、人の成長のために働きたいと感じました。また、英語ができたからこそ仕事の選択肢の幅が広がったという私自身の経験を多くの人と共有したいと思いました。そこで英語教育の仕事に興味を持ち始めました。ただ、金融という独特な業界の経験しかなかったため、他の業界へ転職することの難しさを感じ、スタートアップ企業ならまだチャンスがあると思い、東京のエドテック・ベンチャー企業「Institution for a Global Society」への転職を決めました。
国内だけの事業ではなく、もっと国外にもつながりのあるグローバルな企業で働きたいという思いがありました。そこで、海外に拠点を置いているCamblyへの就職を決めました。現在は出張ベースでサンフランシスコを行ったり来たりしつつ、日本を拠点に勤務しています。
アメリカのワークカルチャーについて
ゴールドマンサックス時代に日本とアメリカ両方のワークカルチャーを経験しましたが、アメリカは個人主義的で個人の主張が強く、日本よりも競争が激しいため、受け身で仕事をしても評価されないと感じました。また、職務を遂行する上で責任の所在が明確で、勤務時間もはっきりしているため、自分の職務を終えたらすぐに帰るなどメリハリのある働き方をしていました。それに比べて日本は、グループ主義で全体で一つとして働くため、ピアプレッシャーのようなものをしばしば感じました。アメリカでは常に自分のしたいことを積極的に発信し、自己をアピールしていく必要があるでしょう。また、マネジメントに携わっていた頃、アメリカの社員は「こいうことがしたい」という思いを明確に持っていたため、そのニーズを満たすための機会を提供する事に力を入れました。それに比べ、日本の社員は与えられたことを確実にこなす事を得意とする社員が多いため、「これをこうして下さい」という枠組みを提供していました。
最初はとてもチャレンジングでカルチャーショックを感じました。現在もいろんな国のカントリーマネージャーと共に仕事をする上で、他国の人の方がアピールがうまく発言力が強いと感じるため、自分を周りと比べて行き詰まりを感じることもありますが、自分の意見をしっかりと伝えることを大切にしています。
日本人だからと意識することはあまりありません。留学時代は他国の留学生も多い環境でしたし、勤務先のニューヨークでも様々な人種で成り立つチームだったので、、、自分が外国人だという自覚はあまりなく、むしろ国際的なチームの一員と自覚していました。
ダイバーシティに富む環境だったため、差別的に扱われたことはありません。あくまでも自分も多様性の中の一人という認識でした。大変だったことは、スピーディで新しい環境にアジャストすることでした。日本人だからというわけではなく、一個人として苦労しました。
グローバル環境で働くことについて
ネットワークづくりだと思います。ネットワークは今すぐ何か形にならなくても、将来思いがけないところで役立つことがあります。私自身、周りのネットワークが自分のキャリアアップに大きく貢献しました。自分のしたいことや夢を積極的に周りに伝え、自分の方向性を常に発信することが大切です。
フレキシビリティや、自分はグローバル人材の一員であるという心構え、相手がどんな人であれ自分は誰とでも接していけるという姿勢です。また、待っているだけではなく自分から能動的に働きかけようとするプロアクティブさも必要です。
職場の人たちはみんな多様な考え方を持っているので、その違いを見るのが面白いです。例えば、ブラジルやトルコの人は物事を勢いよく進めますが、日本や韓国の人は比較的慎重派です。日本のやり方だけに固執するのではなく、こういった新しい見方をシェアしながら、両者のバランスを大切にして、グローバルな人材同士でいいとこ取りができるのが海外で働くことの一つの楽しみだと思います。
「海外で働きたい」という軸は絶対にぶれないようにして下さい。そこに到達するにはどういうオプションがあるのかしっかりと見極め、そのオプションをリスト化して、どういうアプローチができるか考えることが大切です。そのために、的確なゴールを持ち続けるようにして下さい。就職活動をしているときは、目前の目標にとらわれがちですが、自分の目標を長期的に設定することも重要だと思います。何をするにしろ、全ての経験が結果に繋がると思っています。
まとめ
「海外で働きたい」という一途で真っ直ぐな思いが、佐藤さんのキャリアアップに大きく影響しているんだなと感じました。自分の興味や「好き」という気持ちを大事に持ち続けることが重要ですね。
第2弾では「英語を運用すること」にフォーカスしていきたいと思います。
第2弾はこちらです。
大手外資系証券会社社員から英会話サービスCamblyの日本代表に。佐藤さんが語る《〝英語が好き〟を仕事に繋げる》【後半】
【執筆者情報】
北村真美
滋賀のど田舎で生まれ育ち、京都の私立大学に入学。大学3年の秋から1年間休学し、現在シアトルのベルビュー大学でビジネスと英語を勉強中。カフェ巡りとインスタ好きなミーハー女子。