人工食肉を細胞から作り出すスタートアップ、Memphis Meatとは?

今回紹介するのは、シリコンバレー発のスタートアップMemphis Meatです。
社名にMeatと付いているので、肉を扱うスタートアップだと想像はつくと思いますが、実はただの肉じゃないんです。

Memphis Meatでは、従来の食肉用に家畜を育てるといったプロセスを一切踏まず、動物の細胞を培養して人工食肉を生成しているんです!

この時点で「SF映画に出てきそうだな!」 と思われた方もいるのではないでしょうか?
正に、昔人類が想像した非現実的な事が実際に化学の力で証明されているのです。

かなりワクワクしますよね!
では実際にどういったプロセスで、かつ人工食肉はどういった問題を解決するのかについて詳しく見ていきましょう。

人工食肉生成のプロセスとは

まず、気になるのが人工食肉はどういったプロセスで生成されるのか? という点についてです。

初めに、基となる動物(豚肉なら豚の)から幹細胞を採取し、培養することで幹細胞から筋繊維に変わり、6週間寝かせることで食用肉に生成することが出来ます。培養する過程で、水、養分、ミネラル、糖分などの栄養素を与えることで食肉が徐々に成長する仕組みになっているそうです。また、この食肉生成の方法は企業秘密などにはされておらず、同社の生産施設で見学ツアーができるそうです。

幹細胞に水や養分、ミネラル、糖分など成長に必要な要素を与えて培養することで、食肉を生産するという仕組み。なお、この方法は特に秘密にはされておらず、同社の生産施設では見学ツアーも行われているとのこと。

以下の図は、上記で説明したことを図解してくれているので、想像が付きやすいと思います。

こうした培養によって、以下のような人工食肉が生成出来ます。

人工食肉が解決する課題とは

現在、食肉の殆どは屠畜(家畜を食肉にする為に殺めること)によって賄われていますが、家畜へのぞんざいな扱いであったり、倫理に反する扱いをする農家(命ある動物ではなく、物とでしか見ていない)なども増えているため、社会的問題化してきているのが現状です。

更に、家畜を育て上げるにはそれなりのエネルギーや資源の消費、そしてコストがかかります。
これからの時代、人工が増えていくと予想されている中で、更にエネルギー資源の消費が加速化すると、食品業界だけでなく、私達の生活にまで影響が及ぼす可能性も少なくありません。

しかし、人工食肉を用いることによってそうした課題を解決出来ると、同社のCEO・Uma Valeti氏は述べています。

Memphis Meatが抱える課題とは

世界の食料やエネルギー危機に対するソリューションを提供しているMemphis Meatですが、実は同社は大きな課題を抱えているんです。

それは、生産にかかるコストです。スーパーでは、1ポンド(453g)あたり3.2ドル(約360円)ほどですが、Memphis meatが生産する人工食肉のコストは1ポンドで約9,000ドル(約100万円)もかかってしまいます。

この人工食肉が一般家庭に完全に普及するようになるまで時間はかかりますが、それまでに購入可能な値段に落ち着かせることは、これから重要なミッションになってくると思います。

最後に、こちら⬇の動画も参考にしてください!

 

 

【執筆者情報】
秋山智惟
明治大学国際日本学部を休学し、現在はシアトルのBellevue Collegeへ留学中。ベトナムや日本にて幾つかインターンシップを経験。文部科学省が企業と連携して行っている奨学金プロジェクト、トビタテ留学JAPAN第6期生。小学生時代、お腹の病気が原因で365日中300日は下痢の生活を送っていたため、お世話になったトイレをこよなく愛しリスペクトしている。

 

 

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