大学卒業後に新卒として働いた山口銀行を退職し、外資銀行BNPパリバに勤めるまで英語を使用したことがなかったものの、欧州外資銀行東京支社2社、米国現地IT企業2社にて仕事で英語を使う日々を過ごしているという村谷明子さんのインタビュー後編です。
前編では村谷さんのキャリアを主に語っていただきました。前編はこちらです。
後編では、村谷さんが日系企業、欧州外資系企業日本支社、米国現地企業にて経験した衝撃と悲しく悔しい日本人の評価を語っていただきました。
キャリアの中での衝撃
社内パーティーに○○○○万円?
山口銀行を退職した後に所属していたBNPパリバ銀行のクリスマスパーティーでは、あまりに豪勢なので、予算は2000万円は下らないんじゃないか、という噂が社内にありました。
クイズの景品がエルメスとかルイビトンとかでした。そこらへんにもお金をつぎ込んでいるようでした。3社目のラボバンクも同じような感じでしたね。リーマンショック前なので、今もそれほどお金を使っているかはわかりません。
Expedia本社のクリスマスパーティーなどのイベントでも同じような雰囲気です。みんなで食事したりお酒を飲んだりします。
押しが強いインド人同僚
グローバル企業で働くことで国の傾向があることを学べるのは楽しいです。私の経験上ですが、インドの方はアンビシャスな傾向があると感じました。彼らのネットワークがはかなり強固です。お互いリファラルし合ってます。
「リファラル(referral)」は紹介、推薦を意味する英語。「リファラルリクルーティング」とは、自社の社員や社外の人脈を通じて人を紹介、推薦してもらう採用手法のことで、社員紹介採用などと訳されています。(引用:HPプロ)
あとは、リファラルくれ!の押しが強いです。以前マイクロソフト時代のインド人の同僚Aさんから、Aさんの友人BさんにExpediaのある部署のリファラルをくれないかと頼まれました。その部署に掛け合ってみたものの、Bさんはその部署が応募者に必須とするスキルを持っていなかったため、無理だと言われました。これをAさんに告げたところ、「そこを何とか!もうちょっと交渉頼む!」とすごく粘られました。(笑)押しに押しまくるのがスタンダードらしいです。
そうですね。交渉する時は譲らないので強いです。相手が諦めるまでは1時間でも2時間でも同じ話をしていることもありますね(笑)
このような環境で仕事をしていると、それぞれの国の傾向を知ることができるのでとても楽しいです。
面接はアピールしすぎるくらいがちょうど良い
欧米の方が面接官の時は、アピールしすぎるくらい言う必要があると感じました。マイクロソフト勤務時代に転職活動をしていて、Expediaの最終面接をしました。後日、マイクロソフトの上司にこう言われました。「Expediaの面接官が僕に連絡してきたよ。君の他に候補者がもう1人いたらしい。君は面接官には好かれていたが、Expediaは他の候補者を取りそうだよ。君はそこまで自分をアピールしていなかっただろ。熱意がないと思われたよ。それは損だよ。もし次回面接の機会があったら、絶対アピールして。」
2度目の最終面接の機会では、猛烈にアピールした結果、オファーをいただきました。1回目の最終面接でもアピールしたつもりでしたが、全く足りず、やる気がないと思われました。とにかくアピールしてなんぼなんだと感じました。
アピールして良かった経験もあります。フランスの銀行BNPパリバの面接の時、面接官はフランス人でした。その時、フランス語を少し話せると言ったところ、面接官が喜んでくれて評価も上がりました。とにかくアピールできるところはアピールすることが重要です。
日本人が何者なのかは知られていない
採用の場ではよっぽどのことがない限りないです。その部署が日本と取引しているなら話は別ですが。
仕事での日本人の傾向や強みは認識されていないので、日本人だから!という理由で採用されることはほとんどないと思います。しかし、入社してみると日本人が普通としていることが評価されたりします。納期保ったり、仕事を手伝ったり、冷静さだったり、横柄ではなかったり。海外で働く日本人が増えれば、日本人の強みが認識され、評価されるようになるかと思います。
私が把握している限り、本社社員3000人のうち、日本人は3人です。私以外の2人は小中高大とアメリカで過ごしているので、日本で育ち日本の大学を卒業している日本人は私だけかもしれないです。少ないですよね。
大学生にメッセージ
自分が何が好きか?自分が得意なところでどのようにキャリアを築くかを深く考えてみてはどうでしょうか。そうすれば、社会に出てから「これ私がやりたいことではなかったのに…」と思うことはなくなると思います。
まとめ
日本人が仕事でどのような強みを発揮するかなどを評価はもちろん、認識さえされていないということは少し悲しく感じました。
グローバル企業ならではの楽しみや、面接で気をつける点など現場で働いたことのある方にしか見えない目線で語っていただきました。インドの方は粘り強いとはよく聞きますが、その粘り強さはどれほどのものなのか、実際に僕もビジネスの場面で経験してみたいと感じました。
また、Expedia Groupは2019年10月に、本社をシアトルのインターベイへ移動させるそうです。新しいオフィスがどのようなものになるのか楽しみですね!こちらが新しいオフィスに関する記事です。
アメリカに移住し、アメリカで働いている女性の記事はこちらもどうぞ!
【執筆者情報】
佐藤伸介
千葉県に生を授かり、幼少期から高校まで宮城県で過ごしたのちに青森県の大学へ行く。北上し続けていたらいつの間にかシアトルにたどり着き、いまに至る。次の目的地はどこになるのでしょう。東北地方の観光を盛り上げたい。
佐藤さん
シアトルに行くので一度お会いしていただきたいです!
田村
返信ありがとうございます!佐藤なのですが1年の留学期間を終え、日本に先月帰国しました。
団体も代替わりをして今は新しいメンバーでBIG PICを運営しています。
これからもBIG PICをよろしくお願いいたします