どうも、りょうです!季節の変わり目で体調を崩しやすい季節になってきましたね。シアトルではまだ晴れの日は続いているものの、ググッと寒くなってきました。アメリカでは医療費が高いので、病院に行かなくて済むように体調管理を徹底しています!今回のテーマは「医療」です。最近はヘルスケアの分野にお金も注目を集まっているんです。
診断結果の共有不足で患者の命が奪われる
横浜市立大付属市民総合医療センターは30日、神奈川県横須賀市の70代の男性患者がコンピューター断層撮影装置(CT)検査で「膵臓(すいぞう)がんの疑い」と診断されながら、院内で情報が共有されなかったため約5カ月間、適切な治療を受けられずに死亡したと発表した。
病院によると、男性は今年1月、大腸付近の動脈瘤(りゅう)の治療のためCT検査を受けた。
放射線科の医師が画像から「膵臓がんの疑い」と診断していたが、2月の外来診察で別の医師が画像診断書を確認しなかった。
6月に男性が別の病院で定期検診を受けた際に腹痛を訴えて「膵臓がんの疑い」と診断され、発覚した。
画像診断書を作成した1月時点では手術で治療できる可能性があったが、発覚時には難しい状態になっており、男性は10月に死亡した。
(日本経済新聞 2017年10月31日 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22883120Q7A031C1CR8000/)
横浜の病院内で、患者の診断結果が適切に共有されておらず、救える可能性のあった患者の命が奪われたとのこと。僕は悲しさとともに、歯がゆさを覚えました。情報共有のシステムさえ整っていれば、患者を救えたのかもしれないからです。
今回の件は「病院内」における問題ですが、これは「病院間」でも当てはまる問題なのかなと思います。病院内にしろ、病院間にしろ、適切に患者の診断結果を共有できるシステムが整っていれば、より多くの患者を救うことができるはずです。
そもそも何でこのような問題が起こってしまうのでしょう。すごーく簡単にですが調べてみました。
どうやら問題の原因の一つとして「電子カルテ」が挙げられるようです。ご存知の通り、カルテは患者の病状や経過、処置を記録しておくものですね。電子カルテの登場以前、「紙カルテ」を使用していました。
それが、技術の発達によって、徐々にオンラインにカルテを残す「電子カルテ」に移行していきました。紙よりデータの方が共有するのが簡単で便利ですもんね。
しかし、この電子カルテがまだまだ普及していないようです。というのも、電子カルテの運用に手間とコストがかかるからです!電子カルテは病院ごとにシステムを構築して、運用していきます。ですので、ちっちゃい病院だと費用対効果が悪い場合が多いらしいです。日本での電子カルテの普及率はまだ30%程度だそうです。
では、世界の最先端では患者の情報共有をどのように解決していこうとしているのか!調べてみました!
医療機関をテクノロジーの力で繋げて患者を助ける「PatientPing」
2013年にボストンで創業したスタートアップ「PatientPing」。彼らは医療機関同士が簡単に診断結果を共有できるシステムを提供しています。
このサービスを利用することで、医療機関はそれぞれの患者がどのような治療を受けたのかをリアルタイムで共有することができるようになります。
実際に例をあげて説明します!Cさんは病院Aと病院Bにいつも行っているとします。病院Aと病院BがPatientPingを利用している場合、病院間がCさんの診断結果データを常に共有しているため、どちらの病院もCさんの治療経過を完璧に把握しているのです。
何と言っても、PatientPingの場合、各病院が電子カルテのように自分たちでシステムを運用・管理する必要がないという点が優れています。
運用するのはあくまでPatientPingなので、病院は診断結果をシステムに入力するだけでいいのです。電子カルテよりも導入が簡単で、作業もシンプルになりますよね!
診断結果の情報共有が世界の患者を救うかもしれない
実は、日本でも病院間の診断結果共有は徐々に進められているようです。しかし、基本的には一つの県の中だけでの情報共有など、範囲がすごく狭いんですよね。
グローバル化に伴い、世界でのヒトの移動はどんどんと増えていくことが想定できます。もし、日本の病院での診断結果を世界の病院と共有していたら、すごく便利だし、安心できると思います。そして、情報共有のおかげで救える患者が増えるはずです。
法規制や言語の問題など、様々なハードルは存在すると思いますが、世界中どこにいても最適な治療を受けられる世の中がくるかもしれませんね!
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