皆さんの車には、ドライブレコーダーは備わっていますか?
私の家族は、一度、家族で地元のスーパーに行った時に、駐車していた車が当て逃げされ、それに対するはち切れんばかりの怒りを車内にぶつけ母と喧嘩になったことがあります。そして、家族会議の結果、次にこのようなことが起こってもすぐに解決できるように、ドライブレコーダーを付けるようになりました。私は結果的に家族に平和をもたらした、ドライブレコーダーにはとても感謝しています。
さて、今回紹介するのは”Nauto”というスタートアップが提供するAIを搭載した商業用のドライブレコーダーについてです。
このドライブレコーダーは、備え付けられた人工知能(AI)がドライバーの情報を集めその情報をもとにドライバーに注意喚起や安全運転をするためのコーチングを行うものです。
この装置が普及することにより、社会問題の1つである飲酒運転、居眠り運転、わき見運転などの危険行為を防ぐことができます。
では”Nauto”のドライブレコーダーはどのようなデバイスなのか詳しく紹介していきます。
”Nauto”のドライブレコーダーとは?
まず、”Nauto”とはどのような会社なのかについて少し説明します。
”Nauto”とは、2015年にカリフォルニア州パロアルトで設立され、優れたデータ収集能力を用いて車載器を提供し運転への安全性を向上させることを目標とするスタートアップです。
今回紹介するドライブレコーダーの特徴は、何と言っても人工知能(AI)が備わっていることです。
形は、このようなもので、一般に普及しているドライブレコーダーは、外に向けられたカメラによって車外の様子を録画するものですが、”Nauto”のドライブレーダーは車外だけではなく、内向きのカメラにより車内の様子も録画できるようになっています。
さてここからが、このデバイスの最大の特徴です。このドライブレコーダーは、LTE通信機能によりリアルタイムで情報をサーバーにアップロードして解析し、危険行為を発見した際には瞬時にドライバーへ警告することができます。そして、運転後にフィードバックとしてドライバーの改善点と安全運転か危険運転だったかを点数付けされたメッセージがドライバーに通知されます。
警告だけではなく、高度なコンピュータビジョンとマシンラーニングを搭載することによりデータを集計することができます。この集計したデータは、ドライバーの運転傾向、道路の渋滞状況などを把握して交通事故の原因や発生要因の詳細を知ることができることも特徴の1つです。
また、ドライバーの雇用者がこのドライブレコーダーを搭載することの利点はドライバーの管理が正確にできることです。このドライブレコーダーの顔認識技術でどのドライバーが何時間運転しているか、またこのドライブレコーダーを所有するすべての車両の位置を24時間365日ライブマップにて確認できます。
この技術によって、雇用者はドライバーの状況、位置を知ることができより正確に仕事を管理することができます。
”Nauto”の描く未来とは?
今回の記事では、”Nauto”のドライブレコーダーを紹介しました。このドライブレコーダーには人工知能が搭載されることによって安全で快適な運転、また雇用者のドライバー管理に役立つ、素晴らしい技術です。しかし、”Nauto”が思い描く未来はこのドライブレコーダーの普及させることだけではないのです。
”Nauto“が描くゴールとは、将来の自動運転です。自動運転とは、その名の通りでドライバーが運転せずに車本体が自動で目的地に向かうことです。もし、私たちが未来の世界はどのように変わっているかと質問を投げかけられたときに、真っ先に思い浮かぶ代表的な例である自動運転がまさに実現させられようとしている訳です。しかし、自動運転を実現するためには、何万キロと膨大な走行情報や莫大なドライバーのデータが必要となります。
そこで、”Nauto”は自動運転の1つの要素として、人工知能のドライブレコーダーを開発しました。このドライブレコーダーは、効率的で事故のない安全な自動運転の実現に向けてのビッグデータの集積をしています。
最後に
”Nauto”についてまとめると、このドライブレコーダーによって
・事故を減らすことができる
・運転状況が正確に知ることができる、ドライバーの雇用者の営業効率化
・未来の技術である、自動運転に繋がる
”Nauto”の最大株主は、日本の企業であるソフトバンクとなっています。CEOである孫正義氏もプレスリリースの中で、”Nauto” の技術やビッグデータに絶大な期待を寄せているコメントをしていました。ソフトバンクといえば、2018年現在、アメリカの大手通信会社である T-Mobile との経営統合しアメリカの通信業界で1.2位を争う可能性があることにも注目です。その他に、出資を行っている自動車会社では General Motor、 Toyota、 BMW との協業を進めています。
”Nauto”はすでに日本にも支社を置くほどに成長している大注目のスタートアップです。このドライブレコーダーが普及することによって、商業用のトラックによる交通渋滞の緩和、悲惨な事故を軽減できることは確かです。早急に、このドライブレコーダーが広まることを願うばかりです。
【執筆者情報】
山下智也
関西学院大学総合政策学部を休学し、現在はシアトルのBellevue Collegeへ留学中。学生時代はイチローに憧れ野球漬けの毎日だった。大学2年生の時にイチローに会うためマイアミへ。しかし、5時間の出待ちの末に素通りされた。それでもあきらめない彼は、シアトルに留学。そして熱い情熱によってついにマリナーズのインターンシップを獲得した。果たして彼は、イチローに出会うことができるのか!?
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