こんにちは!このサイトを読まれている方のなかには、海外で働くことに興味をもっている、海外に出て勉強したいと思われている方が多いのではないでしょうか?
今回のインタビューでは日本の大学を卒業して外資系企業に就職後、アメリカにMBA留学をしPwCで国際税務マネージャーとして勤務、現在はご自身の会計事務所を立ち上げられ活躍されている佐藤由美子(さとう ゆみこ)さんにお話をうかがってきました!
第1弾の記事ではその中から3つ、佐藤さんについてのご紹介、これまでの経歴について、そしてアメリカでの働き方ついてフォーカスしていきたいと思います!
佐藤由美子(さとう ゆみこ)さん
- 1986年 上智大学外国語学部卒、外資系企業に就職
- 1988-1991年 Seattle UniversityでAccounting専攻、MBA取得
- 1991-1996年 Seattle Price waterhouse Cooper(旧Price Waterhouse)にて国際税務マネージャーとして日本企業を担当
- 1996年 佐藤会計事務所として独立、現在に至る
主な業務内容はコンサルティングと税務関係のコンプライアンスです。
クライアントは日本の企業と個人がほとんどで、税の申請補助などをしています。アシスタントはいますが、基本的に私1人が担当して「子会社ごとの連携構築」から「簡単なアカウンティングソフトの使い方」まで、各企業や個人のニーズに合わせたサービスを提供しています。コンサルタントとして関わっている企業、もっと細かいところを手伝っている企業がそれぞれ3,4社あり、1年に1回だけの数も含めると法人が10件強、個人が100件強ほどです。
経歴について
学生時代
中学生の時、カトリック系の女子校に通っていて、そのときはじめて英語に触れました。そのときは全然英語ができなかったのですが、アメリカの映画や音楽に興味を持つうちにアメリカに行ってみたいと思い、高校1年生の時に留学しました。
最初の3ヶ月はさっぱりだったので、友達に日本のお土産を渡してノートを見せてもらっていました。でも3ヶ月後ぐらいから先生の言っていることが少しずつ分かるようになってきました。
MBA留学のきっかけ
日本で就職したときから最終的にアメリカに戻ることがゴールで、そのために何が一番有効か考えた結果でした。さらに大学時代にたまたま外資系企業でアルバイトをしていて、そのときの上司に「アメリカに戻りたいならCPA(Certified Public Accountant,公認会計士)になっちゃえば?」と言われ決心しました。
アメリカでの仕事について
アメリカでの会計士としての働き方
会計士という職は、アメリカ社会で生きるいい選択肢だったと思います。
その時代から会計士には女性が多く、男性と対等に働くことが出来たんです。また人種差別も関係なく、本当の意味で「出来るか出来ないか」で判断される、公平な仕事だと思います。また計算がぴったり合うことが楽しくて、自分の性格にも合っていました。
独立について
95年にPwCでマネージャーになったのですが、その時代は会社やマーケットの方針がシフトして行く時期で、実務から離れたマネジメントの仕事が多くなっていったんです。それよりは、私にしか出来ないと言ってくださる担当のクライアントを個人で引き継いでよいと言われたので、ちょうどいい時期だと思い独立しました。
その会社を出て行った人たち、特にマネジメントを担っていた社員たちはその後「卒業生」としてのネットワーク・コネになります。この横の繋がりは強いです。
なぜなら古巣で共に激務と戦った戦友のようなものですから。PWCを辞めて20年になりますが、未だにいろいろな事業をやっている仲間とつながっています。なにか助けて欲しいことがあったら彼らに連絡しますね。
銀行システムの日米の違い
91年にアメリカで働き出した頃はまわりにATMなんてありませんでした。日本は昭和40年代からキャッシュマシーンがあったのに。日本は独自の国内銀行ネットワークが進んでいました。反対にアメリカに初上陸した日本企業が「小切手って何?」「自動振り込みはないの?」といった違いがあって面白かったです。
遅れていました!
日本は他の国よりもキャッシュマシーンや国内の銀行ネットワークがずっと進んでいたんです。他の国とは関係なく、独自のネットワークでやっていたんですね。だけど今問題になっているのは、アメリカのキャッシュカードでは日本でお金が下ろせないことです。「日本に行くからセキュリティ解除してください」と言っても、シティバンクでしか使えません。
そうですね。でも日本国内だけならこんなに楽なところないですよ。だってオンラインの画面で口座番号を入れたら相手の名前が出てくることは、アメリカではあり得ないですから。
今後必要とされる力とは
まず言えるのは、昔と今では会計士に求められるものが全く違うということです。
昔は手動での計算、処理が仕事でしたが、今はそれを機械がやってしまうのでデータにするところまでは自動化されています。これからの会計士は「会計」するのではなく「コンサルタント」の仕事しかなくなると思っています。昔からのイメージとガラッと変わり、内側で働くと言うよりも外に飛び出して対人関係を良好に構築できることが求められるでしょう。
「先が読めること」が大切なんです。
クライアント自身が自覚できていないようなニーズを察し、言われる前に準備出来てしまうような人でないといけません。「自分が相手の立場に立ったら何が必要か」さえ考えられれば、身につけられるスキルですよ。「察する力」これは日米両方で求められる力ですが、日本人でこれが得意な人が多いので感謝されることも多いです。
まとめ
佐藤さんのお話から、私自身、日本人としてアメリカで働かれたからこそ気づいたことや、これから身につけていかなければならない力について学べたと思いました。
第2弾では、佐藤さんの今後のビジョンやこれから海外に出て行こうとしている人たちに向けてのメッセージをご紹介したいと思います!
第2弾はこちら↓
【元PwC勤務】アメリカで公認会計士として活躍する日本人に聞いた!今後ビジネスで必要とされる力とは【後編】
【執筆者情報】小西悠夏
関西学院大学教育学部4年生。1年休学してシアトルBellevue Collegeに留学中。最近自炊を始め、安くておいしいパスタソースを探し求めている。
【執筆者情報】
山中 苑
大阪大学外国語学部を休学し、Bellevue Collegeにて留学中。和訳記事にて『本日のニッチな英単語』コーナーを細々と担当している。渡米するまでシアトルをシドニーと呼び間違え、アラスカはアフリカにあると信じていた。マイブームは格言集め。