大手マイクロソフトからスタートアップに転職!「Tableau」鷹松弘章さんにインタビュー②

シアトル発のソフトウェアカンパニーTableauで働いておられる鷹松さんにインタビュー第2弾です!まだお読みでない方はまず第1弾をお読みください。第1弾ではTableauについて詳しく教えて頂きました。

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日本の学生に大局観を届ける

今回第2弾は、みんなの憧れ大手企業マイクロソフト本社を辞めてスタートアップ企業に転職された鷹松さんの、学生時代からの波乱万丈な人生と私たちへの思いをお届けします。皆さんは大手企業を辞める勇気ありますか?確実に人生の価値観が広がります。要チェック!

波乱万丈な人生

大学でカナダに行かれた鷹松さん。もともと海外に興味を持っていらっしゃったのでしょうか。さっそく質問してみました!

鷹松さんはどうしてカナダの大学に行かれたのですか?

僕はスポーツがするのが’好きで、中学の時はバレーボールに没頭し、高校もほとんどバレー推薦同様で入りました。なので高校でもバレーをするんだと思っていたら入学式の日にスキー部の顧問に詰めかけられ、お前はスキー部に入るんだと言われ、スキー部に入りました。実は小さい頃からスキーもやっており、かなり良い成績を持っていました。ですから高校時代は勉強もせず、スキーであちこち飛び回っており、大学進学もなにも考えていませんでした。

なのでスキー推薦で大学に入るつもりでしたが、インターハイの前の試合で怪我をしその大会は棄権。なんとかインターハイまでには退院できましたが、結局復調しておらず棄権し、推薦をもらえませんでした。

大会が終わった時には日本の大学への申請時期はもう終わっていたので、このままでは行く大学がない、となった時に、カナダ留学の広告を見つけ、ふと国際弁護士になりたかったこともあったなあということで、大会が終わった1か月後には空を飛んでいました。もちろん勉強をしていなかったので英語は全くできなかったので、とても苦労しました。

怪我をしてしまって行ける大学がなかったから留学、、、波乱万丈かつ勇気のある選択ですね。ではキャリアの経歴について教えてください。

カナダの大学を出た後は、日本に帰ってロータスという、エクセルができる前に表計算ができるソフトとして有名だったソフトウェアの会社に就職しました。そこでは4年ぐらいメール送信の言語を多言語にできるようにするような仕事をしていました。

でもその当時、その分野においてはロータスの方がマイクロソフトより進んでいたので、27歳ぐらいのときに、マイクロソフトへすでに転職していた元ボスの誘いで日本マイクロソフトに転職しました。マイクロソフトではエクスチェンジという商品で、世界で初めてブラウザでメールを英語ではなくて日本語で読めるようにしました。日本語でメールが読めるなんて今では当たり前のことなんですけど、当時はそれができませんでした。

 

すごいですね。鷹松さんはどうしてコンピュータの道に進まれたのですか?

実は小さい時からコンピュータの仕組みに興味を持ち、ずっとコンピュータ雑誌を読んだりプログラミングを自分で真似したりしてました。小さいときにパソコンを与えてくれた父には感謝ですね。おかげで大学の時にとったコンピュータサイエンスの授業では、教授にあなたに教えることは何もないと言われ、アシスタントをしていました。笑

 

なるほど~好きこそものの上手なれとはこのことですね。日本のマイクロソフトにいらっしゃったのに、どうして海外で働くようになったのですか?

しばらく働いた後、アメリカ本社で働いた方が都合が良いことが多くなり、本社に移らないかという話が出ました。もともと日本の満員電車や日本の働き方に疑問を抱いていたため、面接をして日本マイクロソフトを辞め、2001年にマイクロソフト本社に行きました。アメリカでの仕事はとても自分に合っていました。日本では社会不適合者だったので…。そして去年までマイクロソフトで働き、2017年にTableauに転職しました。

マイクロソフトという大手を辞めてスタートアップ企業に転職するのはとても勇気ある行動だと思うのですが、転職しようと思われた理由を教えて下さい。

転機は離婚だと思います。借金を抱えながらワンルームの小さい部屋で必死で子育てしながら、自分の人生について考え直しました。カリスマブラザーズになる前の彼らが学生の時に一緒にご飯を食べていたのもこのころですね。お金は全くなかったんですが、お金は天下の回りものということで、奉仕するということを常に心がけ、食事を頻繁に彼らや他の学生たちに振舞っていました。彼らがYoutubeを始めたときは後押ししました笑

また、マイクロソフト本社にいた時に、日本人なのにすごいねって良く言われるのが嫌だったんです。というのも私はプロフェッショナルとしてアメリカで働いているつもりでした。ソフトウェアの最先端に立つアメリカ人として自分を証明したい…そんな思いから転職を考えるようになりました。

 

鷹松さんのような人を欲しい会社はいっぱいあったと思います。どうして数ある会社の中からTableauを選ばれたのですか?

様々なところからオファーを頂いた中で、実はTableauが一番低年収でした。ただ、お金にはそんなに執着せず、自分のポリシーを大切に職を考えました。そこでTableauの考え方や活動に惹かれ、Tableauを選びました。というのも、Tableauは社会貢献に力を入れています。第一弾で述べた通り、TableauはPATHという医療系NPOと提携し、持ち前のデータ分析を通してザンビアでマラリアを撲滅させました。これは別にザンビア政府に頼まれたから行ったわけではありません。

さらに詳しく知りたい方はこの記事をお読みください。

 

もちろん社会貢献をしている会社はたくさんあります。でも、社会貢献もしているということを強調したいがために、事業と関係ないボランティアをしているところが多い気がします。本業をいかに社会貢献につなげられるかを考えられているTableauに惹かれました。

伝えたいこと

鷹松さんの人生について、だいぶお分かり頂けましたでしょうか。では、そんなアメリカ在住歴の長い鷹松さんが、日本や私たち学生に対して思われることをお聞きしました。

今の日本についてどう思いますか?

日本は小さいときから、羽目を外さないように他の人と同じことをすることが求められています。そんな状況では、新しいアイデアが生み出されにくくなっていると思います。日本は技術が発展していると言われていますが、ほとんどが他の国の真似をして作られているもので、本当に新しいアイデアというわけではありません。

また、日本は将来のための貯金を大切にしますね。年齢が高くなるとタンス預金などもしてしまいますが、そうすると子育て世代にお金が回ってきません。終身雇用で年齢とともに収入が上がる制度で、かつ貯蓄を銀行などに入れない文化になってしまうと閉塞してしまいます。先ほども言いましたがお金は天下の回りものなので、お金をもっと意味のある使い方、貯め方にしていくのが良いと思います。

 

日本の就活システムについてどう思いますか?

まず、他の人の前で自分の話や夢を話させられる、時間短縮のためのプライバシーのない集団面接はや止めるべきだと思います。また頑張って学生が書いたESもほとんど読まれていないのは、どうかと思います。

また、業界研究をする割に、例えば製造業に入っても総務や人事など製造とは関係ないことをやらされることが多々あると思います。このような新卒に向けた就活システムを改め、個人がインターンやバイトを通して自分のスキルや希望にあった働き方を選ぶ環境作りが大切だと思います。

 

日本の学生に向けてコメントをお願いします。

まだ将来何がしたいか決まっていない人も多いかと思います。しかし、何事もやってみないと何が自分に合っているかもわからないし、失敗しないと成長しません

また、大手企業に入ることだけが成功ではありません。お金が多くもらえるからと、自分のしたくないことを仕事にして人生楽しいですか?やりたいことをやっていたら自然とお金はついてきます。綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、好きなことを追求することで、それに関心を持ってくれる人の輪が広まり、仕事になります。

日本は一度社会に出たら学生には戻れないような風習、転職も稀、という異様な状況にありますが、人生失敗しないと成長しないので、自分のやりたいことにどんどん挑戦して突き詰めてほしいと思います。

まとめ

いかがでしたか?思った以上に波乱万丈の人生でしたね。鷹松さんは、その時その時の自分の気持ちを大切に行動しておられるという印象を受けました。確かに自分の人生は一回限りです。

お金と名誉だけに振り回されて大手企業で働く!というのではなく、自分がどうありたいか、どう社会に貢献したいかを考えて仕事や自分の人生を選んでいきたいものですね。ありがとうございました!

 

こちらは鷹松さんが働いておられたマイクロソフトで働いておられる”弱冠22歳”の方のインタビュー記事です!ぜひご覧ください

 

【執筆者情報】
本城ありさ
立命館大学国際関係学部に所属。現在は休学しシアトルのBellevue college に留学中。アウトドアが好きで、アメリカならではのハイキングのクラスを受講している。また女子1人のチームに入りバレーボールに奮闘中。

 

 

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